31Oct
[最終更新日]2025/10/31

こんにちは、伊庭和高です。
「大人になって試し行動をするのをやめたい」
この相談は定期的に私の元へ寄せられます。
相手がどこまで自分のことを受け入れるか、
あるいは愛情があるかなどを確かめるために、
あえて相手を困らせるような行動をとること。
これが試し行動です。
仕事・恋愛・友達関係など様々な場面で、
試し行動をすることに悩む人は多いです。
人間関係がギクシャクしたり、
試し行動をとる自分に嫌悪感を抱くこともあります。
今回は試し行動をする人の心理背景や原因を、
ぬいぐるみ心理学の視点で解説します。
その上でどうすれば試し行動をやめられるのか、
具体的な克服方法を紹介します。
目次
大人なのに試し行動をしてしまう心理
大人なのに試し行動をしてしまう人は、
5つの心理背景があります。
どれか1つに該当することもあれば、
複数に当てはまることもあります。
①幼少期の愛着スタイルの影響

心理学では幼少期の親との関係が、
成人後にも大きく影響するといわれます。
たとえば幼少期に親の愛情が不安定だった場合、
常に「愛されているか」を確認したくなります。
親からの愛情を十分感じられなかったり、
共働きで親と接する時間がなかったりすれば、
大人になった時に悪影響が出てしまうのです。
その結果、愛されているか確認する試し行動をとるのです。
「親の愛情を感じられなかった」
「親にかまってほしかった」
「親の顔色をうかがっていた」
「良い子を演じていた」
たとえばこうした場合は試し行動をとりやすくなります。
②過去の裏切りや失望

「過去につらい失恋を経験した」
「過去に見捨てられたことがある」
こうした過去の経験を引きずっているケースはあります。
過去のショックな経験から、
本当に自分を見てくれているのか確認しないと不安になるのです。
その結果、さまざまな場面で試し行動をとる様になります。
③相手の反応を気にしている

「変な風に思われてしまわないか…」
「嫌われない様にしなきゃ…」
「相手に合わせた方がいいかな…」
この様に相手の反応や評価を気にするほど、
試し行動をとりやすくなります。
自分軸と他人軸という言葉がありますが、
まさに他人軸の状態です。
相手が何を考えているかは、
どれだけ考えてもわかりません。
絶対に正解がわからない問題を解いている状態です。
それなのに相手にどう思われるかを気にしてしまえば、
不安や恐怖心や怒りなどネガティブな感情が心に充満します。
その結果、試し行動をとることで自分を安心させようとするのです。
④相手に求めすぎている

「私の話を聞いて欲しい」
「もっと気にかけて欲しい」
「わかってくれない」
この様に「して欲しい」「してくれない」が浮かんだら要注意。
相手に求めすぎています。
相手への期待の裏返しとして、
試し行動をとる人もいるのです。
相手が期待に応えてくれるかどうかは、
どれだけ考えてもコントロールできません。
相手に求める気持ちが強まるほど、
期待通りの反応が返ってこないとイライラもやもやします。
⑤自己肯定感が低い

「自分で自分を認められない」
「自分には価値がない」
この様に自己肯定感が低い人は、
試し行動をとりやすくなります。
自己肯定感が低い状態なので、
誰かに認めてもらうことで自己肯定感を高めようとしています。
その結果として試し行動をとるのです。
自信のなさが原因です

私はぬいぐるみ心理学において、
すべての悩みの原因は自信のなさだとお伝えしています。
大人になっても試し行動をするのは、
自信のなさが背景にあります。
詳細は無料メール講座でも解説していますが、
自信があれば試し行動はとりません。
相手の反応に関係なく気持ちを安定させられるのです。
その一方で自信がないと不安になりますし、
試し行動をとらずにいられなくなります。
先ほど紹介した5つの心理背景も、
自信のなさが根底にあります。
試し行動をとり続けた末路とは?

試し行動をとり続けても、
幸せな未来は待っていません。
次第に相手に不信感を抱かれたり、
見放されてしまうこともあるでしょう。
何より自分で心を安定させられていないので、
一時的に試し行動がうまくいっても次の瞬間には不安になります。
常にネガティブな気持ちと隣り合わせなので、
疲れやストレスを感じやすくなるのです。
また転職や異動や引越しなどで環境を変えても、
自分が変わらなければ同じ悩みを繰り返します。
試し行動をしてしまう状況は、
時間が解決してはくれないのです。
試し行動をやめるための2つの方法
次にぬいぐるみ心理学の視点で、
現状を好転する方法を解説します。
2つの方法を実践することで、
試し行動をとってしまうことがなくなります。
自分の気持ちを声に出す

最初の方法が「自分の気持ちを声に出すこと」
試し行動をとってしまう人ほど、
自分の気持ちを声に出していません。
普段から声に出さず、
頭の中で考える癖があります。
私たち人間の脳は頭の中で考えるほど、
ネガティブ思考が強まる習性があります。
一説では1日に頭の中で考える事柄の9割が、
ネガティブな内容だと言われています。
ネガティブに考えるほど、
過去の失敗経験を思い出したり、
相手の顔色をうかがってしまいます。
先ほど紹介した5つの心理背景も、
頭の中で考えている時に浮かびやすいです。

ここでポイントになるのが、
「まず自分で声に出すこと」
家族や恋人や友達や同僚など周りの人に、
いきなり気持ちを吐き出さないでください。
自分の気持ちを吐き出せば、
確かにスッキリするでしょうが、
相手は良い気分になりません。
「また同じ悩みを聞かされている…」
「自分で何とかしてよ…」
最初は親身になってくれても、
何度も続けば相手も嫌な気持ちになり、
関係が悪化する可能性があるのです。
いきなり誰かに気持ちを吐き出すのは、
悩みが解決しない間違った方法なのです。
それこそ不安で辛い気持ちを、
周りに吐き出している状態です。
独り言で構いませんので、
まずは自分で自分の気持ちを声に出すことが、
現状を変える第一歩なのです。
ちなみに自分の気持ちを声に出す上では、
ぬいぐるみを活用するのが効果的です。
詳細は無料メール講座でも解説していますが、
意識してぬいぐるみに触れることは、
自分の気持ちを声に出す上でも効果的です。
「どうしたいのか?」と問いかける

そして声に出した後は、
「どうしたいのか?」と問いかけること。
「どうしたいのか?」の主語は自分自身。
試し行動をとってしまう人ほど、
自分を主語にして問いかけられていません。
自分より先に相手のことを考えてしまうのです。
「した方がいい」
「するべきだ」
「しなきゃいけない」
「して欲しい」
「してあげる」
「してくれない」
たとえばこれらは自分を主語にできておらず、
相手のことを先に考えている状態です。
相手のことを先に考えるほど、
相手がどう思うかを気にしたり、
相手に求め過ぎてしまいます。
まさに他人軸になってしまうのです。
「どうしたいのか?」という問いかけは、
現状を改善するために不可欠です。
自分がしたいことを選択するからこそ、
自分の気持ちを大切に行動できます。
不安が出てきても自分で落ち着かせ、
気持ちを安定させながら過ごせます。

大人になっても試し行動を続けるのは苦しいです。
仕事でもプライベートでも、
どこかで問題が発生してしまいます。
試し行動をとってしまう状況は、
今すぐにでも改善する必要があります。
根本原因である自信のなさと向き合い、
2つの方法を実践しながら、
現状を好転していきましょう。
「自信のなさとは何なのか?」
「どうすれば現状を変えられるのか?」
詳細は無料メール講座でも解説しているので、
合わせて学んでみてください。
本日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
このコラムの執筆者

伊庭 和高(いば かずたか)
自信の専門家。三重県鈴鹿市出身。その後、千葉県千葉市で育つ。
2人兄弟の長男として生まれ、幼い頃から50体以上のぬいぐるみがある部屋で育つ。
早稲田大学教育学部卒業、同大学院教育学研究科修了。
在学中は教育学、コミュニケーション、心理学に専念する。
人間関係の悩みを根本から解決する有効な手法として、ぬいぐるみ心理学という独自の理論を開発。
これまで9年間で7000名以上のお客様にぬいぐるみ心理学を提供。性別・年齢・職業を問わず多くが効果を実感しており、日本全国はもちろん、世界からも相談が後を絶たない。
2014年10月から始めたブログは、今では1000以上の記事があり、月に13万以上のアクセスがある。
2017年11月には株式会社マイルートプラスを設立。
心理コミュニケーションアドバイザーとして、受講者とぬいぐるみ心理学を通して実践的な関わりを続け、それぞれの「望む未来」の実現の手助けをしている。
2020年、初の著書『ストレスフリー人間関係〜ぬいぐるみ心理学を活用してあなたの人間関係の悩みを活用する方法〜』を出版。増刷しロングセラー中である。
2023年10月に三笠書房・王様文庫より『声に出すだけでモヤモヤがすっきりする本〜たった5秒のメンタルケア〜』を発売。
2025年9月にPHP研究所より『大人だって、ぬいぐるみに癒されたい!』を発売。
『女性自身』(2023年9月19日号)にて、カラー8ページでぬいぐるみ心理学が特集されるなど、活動の幅が広がっている。
