30Nov
[最終更新日]2020/11/09
こんにちは、伊庭和高です。
今回はぬいぐるみ心理学の中でもお母様からの相談が多い、
「赤ちゃんとぬいぐるみ」というテーマを取り上げます。
その前に、赤ちゃんとぬいぐるみについて、
簡単な知識を1つ知ってください。
赤ちゃんはぬいぐるみに興味を示すもの
臨床心理学の分野では、以下のことが言われています。
1歳頃までは赤ちゃんをお母さんが
肌身離さず見守っていなければいけない。
しかし、1歳頃になるとお母さんの手元を
離れて行動することができる様になる。
すると、お母さんの次に赤ちゃんが向かうのは、
ブランケットやぬいぐるみである。
このことは既に証明されています。
つまり、赤ちゃんは成長するにつれて
必然的にぬいぐるみを欲しがるものなんです。
※ここでいうブランケットとは、
スヌーピーのライナス君が
肌身離さず持っているものをイメージしてください。
ただし、赤ちゃんがぬいぐるみと遊ぶということは、
それなりにリスクもはらんでいます。
例えばバイ菌。
赤ちゃんですから、
口に入れたりして遊ぶうちに
どうしてもヨダレ等が付着します。
また、床に放り出しておいたら
ダニ等の虫がつく可能性があります。
まだまだ病気に対する免疫も弱いですし、
親としては早めに洗濯をしてしまいたいですよね。
ぬいぐるみ心理学の視点からアドバイスをするなら、
「ぬいぐるみを洗濯することにもリスクがある」んです。
これは赤ちゃんに限らないのですが、
人間はぬいぐるみに理想の存在を重ね合わせます。
つまり、自分にとって一番都合の良い存在を作り上げるわけです。
そんな大切な存在が、突然洗濯に出されるわけです。
持ち主のショックは相当なものです。
…ここまで読んで頭に「?」が
浮かんでいる人もいるでしょう。
「なぜ洗っちゃいけないの?」
「きれいになるんだからいいじゃん」
実は、ぬいぐるみに付着したにおいや質感などにも、
持ち主の理想は乗り移っています。
親から見て明らかに
「クサい!」と思う異臭をはなっていても、
赤ちゃんにとっては
その臭いが重要な場合があります。
これは臭いだけではありません。
ぬいぐるみの一部がちぎれていたり、
ボタンが外れていたりという部分にも、
持ち主の想いが詰まっている可能性があります。
ですので、勝手に修復してはいけないんです。
実際、親に勝手にぬいぐるみを
洗濯・修復されたことがトラウマとなって、
大人になったから上手く人付き合いができない、
という人にも出会ってきました。
それくらい、ショッキングなことなんです。
さて、ここまでの話をまとめます。
赤ちゃんが使ったぬいぐるみは
バイ菌がついている可能性があり、早く洗濯したい。
でも、洗濯することで赤ちゃんにとって
理想の存在を壊してしまうかのしれない。
じゃあ、どうすればいいのか・・・
ここで特に拒否反応を示さなければ、
問題なく洗濯をしても大丈夫です。
ただし、洗濯後にショックを受けるケースもあるので、
赤ちゃんには見つからない様に洗濯することをオススメします。
もしステップ1で拒否反応を示したならば、
「このぬいぐるみをきれいにしていいかな?」等、
洗濯していいかを聞くことです。
ただし、赤ちゃんは「洗濯」
というもの自体を知らないので、
「きれいにする」等、
別の言葉にして伝えてください。
もし2つのステップともに、
赤ちゃんが拒否反応を示したならば、
無理に洗濯はしない方が良いでしょう。
もしぬいぐるみを洗濯できなかったとしても、
気にしすぎない方が良いです。
タイミングがきたら、
別のぬいぐるみに乗り換えることは普通にあります。
その時に、汚れたぬいぐるみを捨てれば良いのです。
あるいは、別のぬいぐるみに乗り換えることなく
ずっと可愛がり続けていた場合も、
ぬいぐるみ心理学的には特徴的なパターンが見えてきます。
それも、子どもの人付き合いの特徴を知るうえでは重要な情報です。
このコラムの執筆者
伊庭 和高(いば かずたか)
千葉県千葉市出身。
2人兄弟の長男として生まれ、幼い頃から50体以上のぬいぐるみがある部屋で育つ。
早稲田大学教育学部卒業、同大学院教育学研究科修了。
在学中は教育学、コミュニケーション、心理学に専念する。
人間関係の悩みを根本から解決する有効な手法として、ぬいぐるみ心理学という独自の理論を開発。
これまで7年間で5000名以上のお客様にぬいぐるみ心理学を提供。性別・年齢・職業を問わず多くが効果を実感しており、日本全国はもちろん、世界からも相談が後を絶たない。
2014年10月から始めたブログは、今では1000以上の記事があり、月に13万以上のアクセスがある。
2017年11月には株式会社マイルートプラスを設立。
心理コミュニケーションアドバイザーとして、受講者とぬいぐるみ心理学を通して実践的な関わりを続け、それぞれの「望む未来」の実現の手助けをしている。
2020年、初の著書『ストレスフリー人間関係〜ぬいぐるみ心理学を活用してあなたの人間関係の悩みを活用する方法〜』を出版。増刷しロングセラー中である。
2023年10月に三笠書房・王様文庫より『声に出すだけでモヤモヤがすっきりする本〜たった5秒のメンタルケア〜』を発売。
『女性自身』(2023年9月19日号)にて、カラー8ページでぬいぐるみ心理学が特集されるなど、活動の幅が広がっている。