2Jan
[最終更新日]2024/09/02
こんにちは、伊庭和高です。
本日のテーマは「傷つくのを怖がる気持ち」
自分の意見を言ったり…
聞きたいことを聞いたり…
やりたいことをやったり…
何かしら行動に移すことで、
傷つくのを怖れてしまう気持ちは、
誰もが一度は感じたことがあるでしょう。
傷つくのを怖がる心理背景について、
この記事では解説しています。
仕事でも、恋愛でも、
傷つくのが怖いと感じるのには、
確かな原因があります。
その上で、傷つくのを怖がらなくなる方法を、
3つのステップで解説します。
また私のお客様の事例で、
傷つくのが怖い悩みを解決できたケースも紹介します。
目次
傷つくのが怖い心理背景
「周りの目を気にしている」
傷つくのが怖いと感じる人は、
上記の心理背景を持っています。
傷つくのではないかと思うのは、
特定の相手(対象)がいるからです。
周りの言動を受けて、
自分が傷つかないかを気にしているのです。
「否定されたらどうしよう…」
「変な目で見られたらどうしよう…」
「笑われたらどうしよう…」
「仲間外れにされたらどうしよう…」
相手を気すればする程に、
傷つくのを怖れる様になります。
ちなみに心理学者のアドラーは、
「悩みの9割は人間関係によるものだ」と述べています。
傷つくのを怖がる悩みも、
結局は人間関係の悩みにつながります。
傷つくのが怖い原因
私はぬいぐるみ心理学において、
すべての悩みの原因は自信のなさだと解説しています。
失敗を怖れるのも…
なかなか行動に移せないのも…
自分の自信のなさが原因です。
傷つくのが怖いと感じる原因も、
実は自分の自信のなさが原因なのです。
自分に自信が持てないからこそ、
必要以上に傷つくのを怖れてしまいます。
ですがもし自分に自信が持てれば、
傷つくかどうかを気にすることなく、
自分の気持ちに素直に行動できる様になります。
「ありのままの自分」
「自分らしさ」
こうした言葉が流行しましたが、
傷つくのを怖れずに振る舞えていれば、
「ありのままの自分」「自分らしい」という心境に達します。
傷つくのを怖れ続ける限り、
ありのままの自分で生きることはできませんし、
自分らしさを発揮することもできません。
傷つくのを怖れる気持ちが、
心の奥底でブレーキをかけてしまうのです。
幼少期にも原因が!
そして私たちの自信のなさは、
幼少期に形成されます。
生まれた時から傷つくのが怖い人は、
誰1人としていません。
ですが大人になるにつれ自信が持てなくなり、
傷つくのを怖がる様になってしまうのです。
また私たちは親との関わりを受けて、
様々な悩みを抱く様になります。
「親に怒られてばかりだった」
「親ができない部分を指摘しがちだった」
「親も傷つくのを怖がっていた」
たとえばこうしたケースだと、
傷つくのが怖い気持ちが生まれやすくなり、
様々な人間関係に影響を与えるのです。
ちなみに私は、自分の自信のなさの度合いを診断する心理テストを開発しました。
12個の質問(二択)に答えるだけで、
自信のなさをどれだけ感じているかが判明します。
こちらも合わせてやってみてください。
現状維持バイアスの影響で傷つくのを怖がり続ける
「傷つくのを怖れる現状を変えたい」
こうした相談を受けることは多いですし、
実際に現状を変えることはできます。
その一方で現状を変えたいと思いながら、
同じ悩みを何度も繰り返してしまうこともあります。
傷つくのが怖いという悩みを解決する上では、
「現状維持バイアス」という理論を知ることが大切です。
=====
私達人間の心理として、
変化よりも現状を維持しようとする作用が働きやすい
=====
これが現状維持バイアスです。
現状を変えれば、確実に理想の未来が待っているわけです。
ですが現状から変わるためには、
それまで避けて来た課題と向き合うことも必要です。
現状から変わりたいと願いながらも、
同時に変化を怖れる気持ちが働くため、
「それなら今のままでいいか…」と思ってしまうのです。
傷つくのが怖い現状を変えようとしても、
現状を変えるために行動している過程で、
一時的に傷つくことがあるかもしれません。
「それなら苦しいけど現状のままでいいか…」
現状維持バイアスに影響を受けてしまうと、
結局は現状を変えるために行動に移せないのです。
ちなみに行動経済学の分野でも、
プロスペクト理論という似た様な理論が存在します。
=====
人は新しい物を手にするメリットよりも、
既存の物を失うデメリットの方が大きく感じ、
損失を避ける傾向がある。
=====
これがプロスペクト理論です。
そして一般に、手にするメリットよりも、
失うデメリットを2倍近く大きく考えてしまうと言われています。
既存の物を失うことの不安を感じ、
現状維持を選択してしまうこと。
その結果、傷つくのが怖いと感じる毎日が続いてしまうのです。
現状維持バイアスもプロスペクト理論も、
誰もが抱いてしまう感情です。
ですが気づいて乗り越えることはできますし、
現状を変えて来た人は乗り越えています。
実は既に傷ついている
そして実は多くの人が
見落としている点があります。
「傷つくのを怖れていても、実は傷ついている」
…そうなんです。
傷つくのを怖れていても、
既に傷を負っているのです。
傷つくのを怖れて振る舞っていても、
相手の言動を受けて傷つくことはあります。
傷つくのを怖れていれば、
最初から防御態勢を取ることはできます。
深い傷を負わなくて済むかもしれませんが、
確実に傷ついているのです。
傷つくのを怖れていても傷は負うし、
怖れていなくても傷は負います。
無料メール講座でも解説していますが、
程度の問題なだけであって、
実はどちらも傷を負っているのです。
それなのに「傷つかない様に…」と我慢していると、
どこか日常で息苦しさを感じてしまいます。
また傷つくのを怖れ続けていれば、
浅い傷を負っても無視します。
「私は傷ついてない」と思い込み、
負った傷を見ない様にします。
傷を負っているのに見ない様にすれば、
化膿してさらに悪化してしまいます。
1人でモヤモヤを抱え続けたり、
急に涙があふれて来たりと、
傷を見ない様にすればどこかで反動が出てしまいます。
一方で傷を負った時に気づけば、
すぐに消毒をして回復できます。
傷つくのを怖れることがなくなれば、
結果として傷つくことがあっても
すぐに回復することができるのです。
傷つくのが怖いのを解決する方法
「傷つくのが怖い現状を解決する方法」
具体的に3ステップで解説します。
私自身もかつては相手を気にして、
傷つくのを怖れていたことがあります。
ですが3ステップを実践する内に、
傷つくのを怖れることなく過ごせる様になりました。
生きづらさを感じることもなく、
肩の力を抜いて過ごせる感覚を実感しました。
ステップ1:自分の気持ちを声に出す
まず最初のステップは、
自分の気持ちを声に出すことです。
実は傷つくのを怖れている人ほど、
自分の気持ちを声に出していないのです。
傷つくのを怖れる気持ちを、
心の中にため込んでしまうのです。
心の中にどれだけため込んでも、
必ずどこかで爆発します。
人間の身体と同じで、
便秘になっても必ず排泄されます。
・暴飲暴食
・急に涙があふれ出す
・衝動買いをしてしまう
・お菓子ばかり食べたくなる
・無目的にネットを見る
人によって爆発の仕方は異なるものの、
ため込んだ気持ちは必ず爆発します。
また私達人間は1日のうちに、
約6万語を考えると言われています。
ですがその中の90%の言葉は、
ネガティブな言葉だとされています。
ですので心の中でため込むほど、
一層ネガティブな気持ちを抱くのです。
まずは自分の気持ちを声に出すこと。
これが第一ステップですし、
一番大事なステップになります。
ちなみに自分の気持ちを声に出す上では、
ぬいぐるみを活用するのが効果的です。
詳細は無料メール講座で解説していますが、
ぬいぐるみの好き嫌いにかかわらず、
意識してぬいぐるみと関わると傷つくのが怖い現状を克服できます。
ステップ2:自信のなさと向き合う
自分の気持ちを声に出した後は、
自信のなさと向き合うことです。
傷つくのを怖れる原因は自信のなさです。
「なぜ傷つくのを怖れるのか?」
「いつから傷つくのを怖れているのか?」
「傷ついたら最悪どうなるのか?」
頭の中で浮かんだ言葉に対して、
1つずつ声に出しながら振り返っていきます。
ステップ3:主語を自分にして問いかける
そして最後のステップは、
主語を自分にして問いかけることです。
傷つくのを怖れている時ほど、
周りの目を気にして行動できなくなります。
自分を主語にして問いかけるではなく、
周りのことばかりを考えてしまうのです。
「自分はどうしたいのか?」と問いかけ、
主語を自分に戻していくこと。
これを続ける中で、
傷つくのを怖れる現状から抜け出せます。
お客様の事例を紹介します
ここからは私のお客様の中で、
傷つくのを怖れる悩みを克服できたケースを紹介します。
大阪在住の波田野さん(女性・仮名)は、
どこか窮屈な感覚を抱くことに悩んでいました。
=====ここから=====
私は人間関係において、
「傷つくのが怖い」と感じていました。
・自分の意見を言うこと
・気になることを聞くこと
・本音を打ち明けること
これらすべて、傷つくのを怖れてできていませんでした。
上手くいかない可能性があるなら、
何も言わなくて良いか…と、
いつも思っていました。
ですが傷つくのを怖れていると、
どこか窮屈な感覚を抱いていました。
日々過ごしていても味気なく、
「何のために生きてるのか」と思うこともありました。
「傷つくのを怖れる原因は自信のなさ」
伊庭さんの言葉を受けて、
痛い所をつかれた様に感じました。
確かに傷つくのを怖れていれば、
自分の気持ちを伝えなくて済みます。
自分に自信がないからこそ、
傷つかない様にと壁を作っていました。
「現状を何とか変えたい」
「傷つくのを怖れ続けるのはやめたい」
伊庭さんと話しながら、
現状から変わりたいと改めて思いました。
波田野さんに起こった変化
私は波田野さんのお話を聞きながら、
先ほどの3ステップをお伝えしました。
また波田野さん個別の状況を踏まえ、
専用のメニューを作成しました。
自分と向き合いながら実践する内に、
波田野さんの日常に多くの変化が生まれました。
=====ここから=====
「自分の気持ちを声に出すこと」
普通のことの様に感じましたが、
確かに私は自分の気持ちを声に出して来ませんでした。
心の中で考え続けてしまったり、
相手に気持ちを伝える時も、
心なしか小声になることが多かったです。
声に出すと泣いてしまいそうな気がして、
なかなか声に出すことがありませんでした。
意識して自分の気持ちを声に出す様にすると、
これまでよりも気持ちが安定するのが実感できました。
傷つくのを怖れる気持ちも、
声に出す内になくなっていきました。
そして自分を主語にして問いかけることも、
今まで全くして来ませんでした。
どうしたいのかを問いかけながら、
まずは自分の本音に気づくこと。
そして自分のしたいことを行動に移すこと。
実践する程に、日常が変わり始めました。
自分のやりたいことに気づいて、
転職することもできました。
ハッキリ自分の意見を伝えられたり、
相手の言動を受けても動揺しなくなりました。
モヤモヤを何日も引きずることもなくなり、
穏やかな気持ちで過ごせる様になっています。
また私は恋愛においても
傷つくのが怖いと感じていました。
以前の恋愛をずっと引きずっていたのですが、
伊庭さんの教えを行動に移す中で、
新たな恋愛に向けて踏み出すこともできました。
仕事に恋愛にと、
確かな変化を実感できています。
=====ここまで=====
傷つくのを怖れずに生きる
傷つくのを怖れる気持ちが
一切なくなることはありません。
私も今も出て来る感情ですが、
大事なのは声に出して自分の気持ちに気づくことです。
自信のなさと向き合うことができれば、
傷つくのを怖れ続けることはなくなります。
どうしたいのかに気づいて、
自分が幸せになるための行動を選択できる様になります。
生きづらさを感じることもなくなりますし、
本当に望む毎日が実現し始めます。
自信のなさとは具体的に何なのか。
自信とはそもそも何なのか。
根本原因である自信のなさについて、
詳細は無料メール講座でも解説していますので、
合わせて学んでみて下さい。
本日も最後まで読んで下さり、ありがとうございました!
このコラムの執筆者
伊庭 和高(いば かずたか)
千葉県千葉市出身。
2人兄弟の長男として生まれ、幼い頃から50体以上のぬいぐるみがある部屋で育つ。
早稲田大学教育学部卒業、同大学院教育学研究科修了。
在学中は教育学、コミュニケーション、心理学に専念する。
人間関係の悩みを根本から解決する有効な手法として、ぬいぐるみ心理学という独自の理論を開発。
これまで7年間で5000名以上のお客様にぬいぐるみ心理学を提供。性別・年齢・職業を問わず多くが効果を実感しており、日本全国はもちろん、世界からも相談が後を絶たない。
2014年10月から始めたブログは、今では1000以上の記事があり、月に13万以上のアクセスがある。
2017年11月には株式会社マイルートプラスを設立。
心理コミュニケーションアドバイザーとして、受講者とぬいぐるみ心理学を通して実践的な関わりを続け、それぞれの「望む未来」の実現の手助けをしている。
2020年、初の著書『ストレスフリー人間関係〜ぬいぐるみ心理学を活用してあなたの人間関係の悩みを活用する方法〜』を出版。増刷しロングセラー中である。
2023年10月に三笠書房・王様文庫より『声に出すだけでモヤモヤがすっきりする本〜たった5秒のメンタルケア〜』を発売。
『女性自身』(2023年9月19日号)にて、カラー8ページでぬいぐるみ心理学が特集されるなど、活動の幅が広がっている。