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レッテルを無意識に貼る意味をぬいぐるみ心理学で解説

[最終更新日]2020/11/09

 

 

こんにちは、伊庭和高です。

 

最近いただくメールの中で、

仕事関係の相談が多くなっています。

 

「職場になると自分らしく振る舞えない」

「後輩のAさんに注意しても改善してくれない」

「転職しても同じ問題が繰り返されている」

 

講座の中では人間関係以外の場面でも

「自分の心に素直になる」ことを実践する。

少しずつ感じるままに振る舞える様になっている。

 

こんな声をいただくのですが、

仕事になるとどうも上手くいかないという声も、

同様に多くもらう様になっています。

 

そこで今回は仕事の人間関係において、

陥りやすいトラップをお伝えします。

 

裏を返せば、このトラップさえ乗り越えれば、

仕事でも自分らしく振る舞える様になっていきます。

 

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レッテルを無意識に貼る

仕事 人間関係 改善 画像

仕事において私達が無意識にやってしまうこと。

それは、「立場を気にすること」です。

 

正社員と派遣社員

上司と部下

部署の違い

 

仕事をしていれば間違いなく、

何らかの立場の違いが生じます。

 

この立場に縛られるがあまり、

ありのままの自分を抑えて振る舞ってしまうのです。

 

また、仕事ができるかどうか、

勤続年数が長いかどうか等、

その人の基準で勝手に立場が形成されることもあります。

 

 

以前のメールでは性別や立場を超え、

「人と人として関わること」をお伝えしました。

 

仕事の人間関係においても、

人と人として関わることができれば、

お互いの本音も知れてスッキリする。

 

結果として仕事の成果も上がり、

関係性も良好になります。

 

 

ところが立場を気にするあまり、

人と人として関わることができなくなります。

 

「私は仕事ができないから…」

「彼の方が上司だから…」

「あの人とは部署が違うから…」

 

こうした無意識の思い込みが、

自分を抑えて関わることにつながります。

 

 

この「立場を気にして関わること」

教育学の分野では「レッテルを貼る」

あるいは「ラベルを貼る」と呼ばれており、

学校現場では特に顕著に見られる光景なんです。

 

大学 入学 友達 不安 画像
「私はいじられキャラだから」

「どうせ私は何を言っても面白くないから」

「クラスで手を挙げると変な目で見られるから」

 

「自分はこんな存在だ」とレッテルを貼り、

それに忠実に振る舞おうとする。

 

意識と無意識の区別なく、

非常によく起こるものです。

 

 

また、ネガティブな意味ではなくとも、

「クラスの中心グループに入ろうとする」

「先生に好かれるために良い子を演じる」等

一見するとポジティブに見えるレッテルも

周りの目を気にしていると言えます。

 

レッテルを貼るということ自体、

周りから見られることを気にしています。

 

一時期流行した「スクールカースト」

これもクラスの目を気にしてできる序列ですよね。

 

クラスの人気者グループ

目立たないけど浮くこともないグループ

少人数で行動するグループ

 

本人達がしたくてするなら別ですが、

クラスの雰囲気を気にしているならば、

自分を抑えるレッテルを貼っていると言えます。

 

ポジティブ・ネガティブどちらのレッテルも仕事に影響が

長年 彼氏 別れ 理由 画像

そして興味深い現象なのですが、

ネガティブな意味で立場を気にすれば、

結果として仕事のミスも増えやすいのです。

 

周りの目を気にするがあまり、

仕事への集中力も欠けてしまうことがあるのです。

 

 

これは私にも経験があるのですが、

学生時代にアルバイトをしていた際、

上司の目を気にしてミスを連発していました。

 

「自分らしさを抑えてでも、

 上司から好かれる振る舞いをしないと…」

 

上司から好かれる振る舞いをしても、

それが得意でなければ自然とミスも増えます。

 

マラソンが得意なのに周りの目を気にして、

走り幅跳びで結果を出そうとする。

 

極端な例ではありますが、

もともと得意ではない以上、

走り幅跳びでも結果は出ないのです。

 

対人関係 苦手 仕事 画像

 

一方、ポジティブな意味で立場を気にすれば、

ストレスを自分で抱え込む可能性もあります。

 

「私は上司だから、ミスを指摘しなければ」

「私の方が立場が上だから、どんな場面でもおごらないと」

 

こうした無理がある瞬間に爆発し、

突然何もしたくなくなったり、

体や心の不調を訴えるケースがあります。

 

 

また、ミスを指摘したり注意することも、

相手の課題に介入する可能性があります。

 

同じ言葉をかけたとしても、

感じたことをそのまま伝えたのか、

相手を思い通りにしようとしたのかで、

相手が抱く感情は大きく変わってきます。

 

感じたことを伝えることと、

思い通りにしようとしてしまったこと。

この違いは実践しながらつかむしかありません。

 

 

仕事上の人間関係においても、

私達は無意識にレッテルを貼りがちです。

 

レッテルを貼ることで自分を抑えてしまう。

あるいは相手の課題に介入しようとしてしまう。

「ありのままの自分」とはかけ離れた状態になります。

 

 

そしてあなたがレッテルを貼れば、

関わる相手もレッテルを貼っています。

 

「上司だし注意しなければ」と思えば相手も、

「注意されない様に自分を抑えて関わらないと」と思うかもしれません。

 

 

仕事の人間関係でも、感じるままに振る舞う。

これが全ての解決策です。

 

立場を気にせず振る舞うことで、

結果として自分の課題に集中できる。

相手の課題に介入することもなくなります。

 

感じるままに振る舞うことで、

思いがけず相手が本心を伝えてくれたり、

今までとは違った反応が現れます。

 

 

もちろん今日からいきなり、「立場を気にせず振る舞えるか」と言われると、

それは難しいかもしれません。

 

私だって相手との関係性を見て、

ついレッテルを貼ってしまうことはありますからね。

 

まずは無意識にレッテルを貼っている瞬間。

これに気づくことから始めて下さい。

気づくことを積み重ねることです。

 

最後に

ぬいぐるみ 心理 画像

ここまでが今回の内容です。

人間関係で自分を抑えてしまう背景。

これを網羅的にお伝えしました。

 

すべてに心当たりがある場合もあれば、

どれか1つにピンと来たかもしれません。

 

今回のメールを読みながら、

感じたことを伝えていただけたらと思います。

 

 

本日も最後まで読んで下さり、

ありがとうございました。

このコラムの執筆者

伊庭 和高

伊庭 和高(いば かずたか)

         

千葉県千葉市出身。
2人兄弟の長男として生まれ、幼い頃から50体以上のぬいぐるみがある部屋で育つ。
早稲田大学教育学部卒業、同大学院教育学研究科修了。
在学中は教育学、コミュニケーション、心理学に専念する。
人間関係の悩みを根本から解決する有効な手法として、ぬいぐるみ心理学という独自の理論を開発。
これまで7年間で5000名以上のお客様にぬいぐるみ心理学を提供。性別・年齢・職業を問わず多くが効果を実感しており、日本全国はもちろん、世界からも相談が後を絶たない。
2014年10月から始めたブログは、今では1000以上の記事があり、月に13万以上のアクセスがある。
心理コミュニケーションアドバイザーとして、受講者とぬいぐるみ心理学を通して実践的な関わりを続け、それぞれの「望む未来」の実現の手助けをしている。
2020年、初の著書『ストレスフリー人間関係〜ぬいぐるみ心理学を活用してあなたの人間関係の悩みを活用する方法〜』を出版。増刷しロングセラー中である。
2023年10月に三笠書房・王様文庫より『声に出すだけでモヤモヤがすっきりする本〜たった5秒のメンタルケア〜』を発売。
『女性自身』(2023年9月19日号)にて、カラー8ページでぬいぐるみ心理学が特集されるなど、活動の幅が広がっている。