10Mar
[最終更新日]2020/11/09
こんにちは、伊庭和高です。
本日は「ありのままの自分」について取り上げます。
「ありのままの」という言葉は、
アナ雪が公開されてから非常によく聞く様になりました。
「ありの〜ままの〜」
アナ雪の主題歌である「Let it go」を、
年齢や性別を問わず多くの人が口ずさんでいましたからね。
「ありのままの自分で生きたい」
こうした想いを持つ人は非常に多いです。
ですが同時に…
「ありのままの自分がわからない」
「ありのままの自分が受け入れられない」
「ありのままの自分を愛せない」
こうした声も聞く様になりました。
今回はぬいぐるみ心理学の視点から、
ありのままの自分について見ていきます。
目次
なぜ「ありのままの自分」を受け入れられないのか?
「ありのままの自分を受け入れられない」
こうした声も非常に多いのですが、
ありのままの自分が受け入れられないのは、
いくつか理由があります。
「自分らしさ」
「そのままの自分」
「素の自分」
似た様な言葉にこれらが挙げられますが、
ありのままの自分を受け入れられなければ、
自分らしく日々を過ごせていないとも言えます。
ありのままの自分を愛せない人の特徴
「理想と現状の自分のギャップに苦しんでいる」
ありのままの自分を愛せない人には、
この様な特徴があります。
理想の自分はもっと高い所にあるのに、
現状が全然追いついていない。
そんな状態で自分を愛すること等できないと感じてしまうのです。
理想を追い求める姿勢は大切ですし、
向上心を持って日々を過ごせる側面があるものの、
どれだけ追い求めても常に高い所に理想を設定してしまいます。
「まだ理想に追いつかない」
自分でハードルを上げ続けてしまい、
いつまで経っても理想に到達したと思えないのです。
その結果、ありのままの自分を愛せない状態が続くのです。
「いい人」を装ってしまう心理
ありのままの自分を愛せない人は、
「いい人」を装っていることがあります。
「仮面をかぶる」「キャラを演じる」とも言い換えられますが、
いい人を装う上では、他者の存在を前提としています。
周りからどう見られるかを気にして、
本来の自分ではない姿を演じてしまうのです。
自分を演じれば演じるほど、
本来の自分からは遠ざかっていきます。
演じた状態の自分で周りから評価されても、
素直に喜べない様になってしまいます。
「本当の自分は違うんだけどな…」
どこか釈然としない気持ちを抱きながら、
周囲の反応を受け止め続けるのです。
また、他者の存在を前提としているからこそ、
「他者からありのままの自分は受け入れられない」と思い込んでいます。
ありのままの自分を出すことをためらい、
別の自分を演じる様になってしまうのです。
周りの目を気にすればする程、
ありのままの自分を押し殺す様になると言えます。
短所を受け入れられない心理
人間には長所もあれば短所もあります。
長所だけの人間はいませんし、
短所や弱さを受け止めながら生きていくものです。
長所も短所も含んで「ありのままの自分」なわけです。
ですが自分で自分の短所が受け入れられないと、
ありのままの自分を受け入れることはできません。
「優等生」という言葉がありますが、
短所を受け入れられないまま過ごしていると、
どこか優等生な自分を演じることにもつながります。
周囲からは欠点がなさそうに見えるものの、
どこか無理をしている様にも見えてしまいます。
ありのままの自分がわからない
そして最後にお伝えするのが、
そもそもありのままの自分がわからないということ。
自分で自分のことがわかっていなければ、
そもそも自分を受け入れることもできません。
先ほどお伝えしてした様に、
いい人を演じながら過ごしていれば、
次第に自分が何なのかわからなくなります。
仮面をかぶり続けた結果、
仮面を外した状態の自分がわからなくなってしまうのです。
自分で自分のことが嫌いになる
ここまで様々な理由を紹介しましたが、
ありのままの自分を愛せない状態が続くほど、
自分で自分のことが嫌いになります。
理想と現状のギャップを抱き続けていれば、
現状の自分にダメ出しをし続けてしまいます。
本来の自分とは違ういい人を演じていれば、
そんな自分のことを心から好きにはなれません。
自分で自分を大切にすることからも遠ざかり、
どこか自分の心を雑に扱っている状態です。
自己肯定感が下がってしまったり、
自分で自分のことを否定してしまったりと、
自分の心の内側で息苦しさを抱えてしまうのです。
ありのままの自分を愛するための3ステップ
ここからはありのままの自分を愛するために、
具体的な方法を3ステップで解説します。
たとえどの様な現状であったとしても、
3ステップを実践することで次第にありのままの自分を受け入れられる様になります。
ステップ1:ぬいぐるみと意識して関わる
最初のステップは「ぬいぐるみと関わること」
ぬいぐるみが好きかどうかに関係なく、
ぬいぐるみの前ではありのままの自分をさらけ出してしまうのです。
臨床心理学の分野では、
赤ちゃんはお母さんの次にぬいぐるみへ愛着を示すと言われています。
お母さんに気を使う赤ちゃんはいません。
お母さんの次に愛着を示すということは、
お母さんの様な感覚で素の自分をさらけ出してしまうのです。
また私達人間はぬいぐるみを物としてではなく、
生きているかの様に見立てて関わると言われています。
だからこそ目の前のぬいぐるみに対して、
ありのままの状態をさらけ出してしまうのです。
触れてみたり枕元に置いてみたり、
あるいは話しかけたりと、
意識してぬいぐるみと関わってみてください。
ぬいぐるみと関わるほどに、
自分で自分の気持ちがわかる様になります。
ステップ2:自分の気持ちを声に出す
そして次のステップは、
自分の気持ちを声に出すことです。
ありのままの自分を受け入れられていない時ほど、
頭の中で物事を考えることが癖になっているのです。
私達人間は1日の中で、
約6万もの言葉を考えると言われています。
その内の90%近くがネガティブな事柄だと言われています。
つまり頭で考えれば考えるほど、
ますますネガティブ思考になり、
結果としてありのままの自分が愛せなくなるのです。
ありのままの自分を受け入れられない人は、
いい人を装ってしまうことが多いです。
いい人とは本来の自分ではないので、
いい人を演じれば演じるほど、
頭の中でいい人を考え続けて過ごす様になります。
頭の中で考えれば考えるほど、
自分の本心からも遠ざかってしまい、
ありのままの自分もわからなくなってしまうのです。
どんな気持ちでも構いません。
まずは自分で自分の気持ちを声に出すことです。
頭の中で考え続けるのを止めるだけでも、
自分で自分を受け入れられる様になり始めます。
ステップ3:主語を自分にして問いかける
そして最後のステップは、
主語を自分にして問いかけることです。
「どうしたいのか?」と自分自身に問いかけて下さい。
ありのままの自分が愛せない時ほど、
どうしたいのかと問いかけられていません。
「〜した方が良い」「〜しないといけない」の様に、
「〜したい」以外の言葉を語尾につけてしまいます。
これらの言葉は自分のことよりも先に、
自分以外の誰かのことを考えてしまいます。
自分の気持ちよりも先に誰かのことを考え続けると、
自分の気持ちをないがしろにしてしまいます。
その結果、ありのままの自分からも遠ざかり、
次第に周りから見ていい人を演じてしまいます。
主語を自分にして問いかけること。
これを日常の中から意識することで、
ありのままの自分を自然と愛せる様になります。
お客様の事例を紹介します
ここからは私のお客様の中で、
ありのままの自分を愛せた人のケースを紹介します。
宮城県在住の廣田さん(仮名)は、
人間関係の悩みを打ち明けて下さりました。
=====ここから=====
子どもの頃から相手の顔色を伺い、
いい人を演じてしまうことが多かったです。
親や先生、友達や恋人など、
相手によって仮面を使い分け、
その時々を乗り切って来ました。
それは大人になってからも変わらず、
職場でも常に周囲の様子を伺ったり、
恋愛でも相手に都合の良い人を演じる様になりました。
「結局、本来の自分は何なのか?」
「ありのままの自分がわからない…」
漠然とこうした悩みを抱いていました。
いい人を演じていれば、
その場は上手く乗り切っていけますが、
どこか表面的な関係で止まってしまいます。
何よりも真っ先に相手のことを考え、
自分の気持ちに鍵をかける様になったので、
ありのままの自分が何だかわからなくなりました。
「短所を受け入れられない心理がある」
伊庭さんはこの様におっしゃっていましたが、
私の場合、短所を周囲にさらけ出すのが怖かったです。
・短所をさらけ出したらどう思われるのか?
・引かれたり嫌われたらどうしよう?
こう思って、次第に短所を隠し、
見栄えの良さそうな一面ばかりを出して関わる様になりました。
自分を演じた状態であれば、
そんな自分のことを心から受け入れられません。
ありのままの自分が愛せないのと同時に、
演じている現在の自分も愛せず、
自分で自分を責めることもありました。
「こんな自分を何とか変えたい」
伊庭さんとお会いした背景には、
今までの自分をここで変えたいという想いがありました。
=====ここまで=====
廣田さんに起こった変化
私は廣田さんのお話を聞きながら、
先ほど紹介した3ステップを伝えました。
また廣田さん個別の状況を踏まえ、
独自に取り組むメニューもお伝えしました。
自分と向き合い行動に移すことで、
廣田さんの日常に変化が生まれました。
=====ここから=====
確かに私は伊庭さんの言う通り、
自分の気持ちを頭の中で処理していました。
「これを言ったらどう思われるか?」
「嫌な顔をされたらどうしようか?」
相手の顔色を気にする様になり、
頭の中で物事を考える癖がついていました。
自分で自分の気持ちを声に出すことも、
最初はなかなか上手くできませんでした。
その度に伊庭さんからアドバイスを頂き、
仕事中に声に出せる様に少しずつなりました。
また私はぬいぐるみに興味がなかったものの、
これを機にハリネズミのぬいぐるみを買いました。
自宅で意識してぬいぐるみと関わる内に、
自分の本心が何となくわかる様になりました。
ぬいぐるみと関わっているだけなのに、
今まで抑えて来た気持ちに気づき、
驚いたこともありました。
そして3ステップを実践する中で、
徐々に自分の本心に気づける様になりました。
・何をしたいのか?
・何を伝えたいのか?
・何を感じているのか?
その時々の自分の気持ちがわかるだけで、
こんなにも気持ちが穏やかになることは、
今までの人生で初めて経験しました。
そして自分の気持ちを行動に移すことで、
自分が望む形で物事が動き始める様になりました。
周りを先に考えるのではなく、
まず自分を主語にして考えること。
これを意識するだけで、
今までよりもストレスなく、充実して過ごせる様になりました。
「ありのままの自分を受け入れ愛すること」
伊庭さんのおっしゃる言葉が、
日常の中でより腑に落ちて来ています。
=====ここまで=====
ありのままの自分を愛して幸せになる
生まれた時は私達の誰もが、
ありのままの自分全開で過ごしていました。
それが年を重ねる内に少しずつ、
ありのままの自分を抑える様になってしまいました。
理想と現状のギャップに苦しんだり…
いい人を装ってしまったり…
短所を受け入れられなかったり…
ありのままの自分が愛せない状態だと、
どこか息苦しさを抱えながら過ごすことになります。
ありのままの自分に気づき愛せる様になると、
どんな自分も受け入れられる様になります。
自分らしさを発揮して過ごしながら、
自分を大切にできる様になります。
・ありのままの自分を愛せない根本原因とは何か?
・アナ雪に隠された決定的な落とし穴とは何か?
・ありのままの自分で生きるヒケツは何か?
これらの内容について、
より詳しいことは無料メール講座で解説しています。
合わせて学んでみて下さい。
本日も最後まで読んで下さり、ありがとうございました!
このコラムの執筆者
伊庭 和高(いば かずたか)
千葉県千葉市出身。
2人兄弟の長男として生まれ、幼い頃から50体以上のぬいぐるみがある部屋で育つ。
早稲田大学教育学部卒業、同大学院教育学研究科修了。
在学中は教育学、コミュニケーション、心理学に専念する。
人間関係の悩みを根本から解決する有効な手法として、ぬいぐるみ心理学という独自の理論を開発。
これまで7年間で5000名以上のお客様にぬいぐるみ心理学を提供。性別・年齢・職業を問わず多くが効果を実感しており、日本全国はもちろん、世界からも相談が後を絶たない。
2014年10月から始めたブログは、今では1000以上の記事があり、月に13万以上のアクセスがある。
2017年11月には株式会社マイルートプラスを設立。
心理コミュニケーションアドバイザーとして、受講者とぬいぐるみ心理学を通して実践的な関わりを続け、それぞれの「望む未来」の実現の手助けをしている。
2020年、初の著書『ストレスフリー人間関係〜ぬいぐるみ心理学を活用してあなたの人間関係の悩みを活用する方法〜』を出版。増刷しロングセラー中である。
2023年10月に三笠書房・王様文庫より『声に出すだけでモヤモヤがすっきりする本〜たった5秒のメンタルケア〜』を発売。
『女性自身』(2023年9月19日号)にて、カラー8ページでぬいぐるみ心理学が特集されるなど、活動の幅が広がっている。