17Nov
[最終更新日]2025/11/17

こんにちは、伊庭和高です。
今回は仕事について取り上げます。
仕事はそれなりにできて、周囲からの評価も悪くない。
けれど、なぜか「毎日がつまらない」「やりがいを感じない」
そんな違和感を抱えていませんか?
実はこの状態、心理学では「意味志向のズレ」と呼ばれる現象に近いといわれます。
成果や評価のために頑張ってきたけれど、
本当の“自分の価値”や“意味”とズレが生じてしまえば、
どんなに仕事がうまくいっても満たされなくなるのです。
今回はぬいぐるみ心理学の視点で、
毎日がつまらないと感じる原因と解決策をお伝えします。
目次
なぜ「仕事ができるのに」つまらないのか?

多くの人がこのモヤモヤを感じるのは、20代後半〜50代前半。
仕事のスキルもつき職場での信頼も得て、
ある程度「できる人」として扱われる時期です。
しかしその一方で、
「このままでいいのかな」
「自分は何のために働いているんだろう」と、
心の中で小さな声が聞こえはじめます。
これは単なる“倦怠感”ではなく、
心理学でいう「意味志向の欠如」。
人は“意味のあること”に関わっている時に、
最もエネルギーを発揮します。
逆に“意味を見いだせない”時、
仕事の成果や収入があっても心が満たされなくなるのです。
「意味志向」とは?─モチベーションの源は“意味”

意味志向とは、「自分にとってどんな意味があるか?」という問いをベースに行動する心の傾向を指します。
心理学者ヴィクトール・フランクルは、
人が生きる上で最も大切なのは「意味の追求」であると述べました。
仕事においても同じで、
意味志向が強い人ほど困難な状況でもやる気を維持しやすいといわれています。
一方で成果志向や評価志向に偏ると、
他人の基準に合わせて動くようになり、
「自分が何のために働いているのか」が見えづらくなります。
そのズレこそが、「仕事はできるのに、つまらない」と感じる最大の原因です。
仕事がつまらないと感じる3つの原因

ここまでの話を踏まえて、
仕事がつまらないと感じる原因をより詳しく解説します。
これから紹介する3つの原因のうち、
どれか1つに該当する可能性もあれば、
複数に当てはまることもあります。
①外部評価ばかりを追ってしまう

「上司に認められたい」「結果を出さなければ」という思いが強い人ほど、
外部の評価軸で自分を測りがちです。
一時的にはそれがモチベーションになりますが、
やがて「自分のため」ではなく「他人のため」に働いている感覚が強くなり、心が疲れてしまいます。
自分軸と他人軸という言葉がありますが、
まさに他人軸になってしまうのです。
一時的には評価を得ても心の奥で、
「これ、本当にやりたいことなのかな」と感じる。
この瞬間に、意味志向と成果志向のズレが始まっています。
他人軸のまま頑張るのは、
一時的な栄養ドリンクを飲んでいる状態で、
モチベーションが長続きしないのです。
②自分の価値観と仕事内容が合っていない

たとえば人のサポートが好きなのに、数字を追い続ける営業職。
あるいはクリエイティブな発想を活かしたいのに、ルールに縛られた職場環境。
このように「価値観」と「仕事内容」が一致していないと、
仕事の充実感は薄れてしまいます。
人は、自分の中の価値観が満たされるときに最もやる気が出るもの。
逆にそこがズレると、どんなに高収入でも、どんなに褒められても“つまらなさ”は消えません。
また最近では、自分でも自分の価値観がわからない人が増えています。
・何をやりたいかわからない
・何を大事に仕事をしたいかわからない
こうした状態では、目の前の仕事をこなすばかりになってしまいます。
これではいずれ壁に直面しますし、
仕事をこなしながら虚無感を抱くでしょう。
③成長の実感を得られなくなっている

慣れた仕事、安定したルーティン—。
悪くはないものの「昨日と同じ自分」でいることが続くと、
人は無意識に退屈を感じます。
成長感が得られないと、意味を感じにくくなるのです。
成長とは、資格取得や昇進のような大きなものだけではありません。
たとえば「昨日よりお客様の話を丁寧に聞けた」「チームが笑顔になった」など、小さな前進を感じ取る力も“意味を見つける感性”を育てます。
自信のなさが根本原因です

私はぬいぐるみ心理学において、
すべての悩みの根本原因は自信のなさだとお伝えしています。
仕事ができるのに毎日つまならないと感じるのも、
根本的には自信のなさが原因です。
詳細は無料メール講座でも解説していますが、
自信があれば自分がやりたいことを明確にしながら、
主体的に仕事に取り組めるでしょう。
自分にとってどんな意味があるのかを問いかけながら、
自分軸を持って仕事ができるのです。
一方で自分に自信が持てずにいると、
他人軸で働いてしまうことが増えます。
先ほど紹介した3つの原因も、
自信のなさが根底にあります。
自信がないから外部評価ばかり追いかけたり、
自分の価値観と仕事内容が合わない状態が続いてしまいます。
幼少期の記憶も影響している

私たちの自信のなさは、
幼少期の経験も影響しています。
生まれた時から自信がない人はいません。
泣きたい時に泣き、
笑いたい時に笑い、
欲しい物は欲しいと主張できていました。
それが成長し大人になるにつれ、
自信がなくなってしまうのです。
仕事の悩みであっても、
実は幼少期にキッカケがあるかもしれません。
また私たちは親との関係が、
すべての人間関係のスタートです。
親と関わる中で自信のなさが形成され、
意味思考がズレてしまうこともあるのです。
「親の顔色をうかがっていた」
「良い子を演じていた」
「自分の気持ちを我慢して生きていた」
たとえばこうした場合は、
子供にも悪影響が及ぶのです。
現状を好転する2つの方法

次にぬいぐるみ心理学の視点で、
現状を好転する方法を紹介します。
これから紹介する2つの方法を、
繰り返し実践してみてください。
毎日がつまらないと感じる状況を抜け出せます。
自分の気持ちを声に出す

最初の方法が「自分の気持ちを声に出すこと」
毎日がつまらないと感じる人ほど、
自分の気持ちを声に出していません。
普段から声に出さず、
頭の中で考える癖があります。
私たち人間の脳は頭の中で考えるほど、
ネガティブ思考が強まる習性があります。
一説では1日に頭の中で考える事柄の9割が、
ネガティブな内容だと言われています。
ネガティブに考えるほど自信もなくなりますし、
つまらない気持ちも増大します。
外部評価ばかりを追ってしまったり、
他人軸に流されてしまうのも、
決まって頭の中で考えている時です。
独り言で構いませんので、
まずは自分で自分の気持ちを声に出すことが、
現状を変える第一歩なのです。
頭に浮かんだ気持ちを、ぶつぶつ声に出していきましょう。
ちなみに自分の気持ちを声に出す上では、
ぬいぐるみを活用するのが効果的です。
詳細は無料メール講座でも解説していますが、
意識してぬいぐるみに触れることは、
自分の気持ちを声に出す上でも効果的です。
「どうしたいのか?」と問いかける

そして声に出した後は、
「どうしたいのか?」と問いかけること。
「どうしたいのか?」の主語は自分自身。
つまらなさを感じる時ほど、
自分を主語にして問いかけられていません。
自分より先に周りのことを考えてしまうのです。
「した方がいい」
「するべきだ」
「しなきゃいけない」
「して欲しい」
「してあげる」
たとえばこれらは自分を主語にできておらず、
周りのことを先に考えている状態です。
まさに他人軸になっているので、
意味思考がズレてしまいます。
自分が大切にしたい価値観から外れ、
目の前の仕事に追われてしまうのです。
「どうしたいのか?」の主語は自分自身。
自分軸を持って問いかけられているので、
自分で仕事の意味を見出せるようになります。
「どうしたいのか?」という問いかけは、
現状を好転するために不可欠です。
生きている時間の多くを占めるのが仕事。
毎日がつまらないと感じる状況を続けても、
幸せな未来は待っていません。
根本原因である自信のなさと向き合いながら、
2つの方法を実践することで、
現状を今すぐに変えていきましょう。
「自信のなさとは何なのか?」
「どうすれば現状を変えられるのか?」
詳細は無料メール講座でも解説しているので、
合わせて学んでみてください。
本日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
このコラムの執筆者

伊庭 和高(いば かずたか)
自信の専門家。三重県鈴鹿市出身。その後、千葉県千葉市で育つ。
2人兄弟の長男として生まれ、幼い頃から50体以上のぬいぐるみがある部屋で育つ。
早稲田大学教育学部卒業、同大学院教育学研究科修了。
在学中は教育学、コミュニケーション、心理学に専念する。
人間関係の悩みを根本から解決する有効な手法として、ぬいぐるみ心理学という独自の理論を開発。
これまで9年間で7000名以上のお客様にぬいぐるみ心理学を提供。性別・年齢・職業を問わず多くが効果を実感しており、日本全国はもちろん、世界からも相談が後を絶たない。
2014年10月から始めたブログは、今では1000以上の記事があり、月に13万以上のアクセスがある。
2017年11月には株式会社マイルートプラスを設立。
心理コミュニケーションアドバイザーとして、受講者とぬいぐるみ心理学を通して実践的な関わりを続け、それぞれの「望む未来」の実現の手助けをしている。
2020年、初の著書『ストレスフリー人間関係〜ぬいぐるみ心理学を活用してあなたの人間関係の悩みを活用する方法〜』を出版。増刷しロングセラー中である。
2023年10月に三笠書房・王様文庫より『声に出すだけでモヤモヤがすっきりする本〜たった5秒のメンタルケア〜』を発売。
2025年9月にPHP研究所より『大人だって、ぬいぐるみに癒されたい!』を発売。
『女性自身』(2023年9月19日号)にて、カラー8ページでぬいぐるみ心理学が特集されるなど、活動の幅が広がっている。
