2Dec
[最終更新日]2020/11/04
こんにちは、伊庭和高です。
お客様から寄せられる声の中で、
「知識は増えたのですが…」という言葉をよく見かけます。
本を読んだり周りの人から聞いたり、
あるいは講演会へ行ったり、
ネットで情報を集めたり…
「自信がない自分から卒業したい!」と思い、
様々な知識を得たものの、結局変わらない日々が続いてしまう。
過去の私も同じ様に悩んでいました。
学生の頃から、本屋さんの心理学や自己啓発コーナーへ週2で足を運び…
「良い」と言われた講演会へ足を運び…
ネットで役立つ情報を集めたり…
あるいは思い切って資格を取得してみたり…
でも結局は何も変わりませんでしたし、
悩みは何度も形を変えて繰り返されました。
私自身、知識ばかり増えて何も変わらない経験をして来たからこそ、
「知識ではなく変化が起きること」にフォーカスして、
ぬいぐるみ心理学を提供しています。
さて、今回は北海道在住の桜田さん(女性)のエピソードを紹介します。
桜田さんも「知識ばかり増えて何も変わらない自分」に悩んでいました。
桜田さんと私が直接お話したのは、
桜田が私のメールを読み始めて1年後。
それまでも返信は下さっていたのですが、
返信の間隔が開いたりとかなり不定期な状態。
返信の内容も、
「なかなか前に進めていない…」という、
どこかネガティブなものが多かったのです。
ではどうして桜田さんがオンライン個別相談に申し込まれたのか。
私もお会いしてその理由を聞きました。
=====ここから=====
正直、伊庭さんのメールはもちろん、
本を読んだりネットで情報を集めたりしながら、
知識だけは増え続けました。
私はメモを取るのが好きなので、
新しい知識をノートに書いたりしていたのですが、
書いても書いてもまた同じ悩みに直面する。
知識を得ることや書くことで満足して、
肝心の自信が得られていないことに気づきました。
だから伊庭さんのメールも読んでいたものの、
実際に行動できていたかというと微妙で…
伊庭さんのメールに刺激を受け、
「ここから変わるぞ!」と思い数日返信し、
でもまた間隔が開いて…
これを繰り返していた様に思いました。
「知識を得ても何も変わっていない」
このことに気づいたからこそ、
もう伊庭さんのメールを読むだけ、
あるいは本やネットで知識を得るだけでなく、
まずは伊庭さんに直接お話し行動しようと決めました。
=====ここまで=====
桜田さんに私が伝えた言葉です。
そもそも知識は行動した結果として生まれるものです。
例えば三角形の面積を求める公式は、
「底辺×高さ÷2」です。
ですがこの公式は最初から存在したわけではなく、
元は三角形の面積の求め方を何度も何度も検証した人がいて、
膨大な検証の結果たどりついたものです。
あるいは心理学では非常に有名な理論の1つである「つり橋効果」
これを恋愛で説明するならば、
グラグラ揺れるつり橋の上にいる様に、
緊張したりドキドキする状態の時は、
そこで出会った異性に対して好意を抱きやすいという理論です。
これも最初から「つり橋効果」という知識があったのではなく、
心理学者が実際につり橋を訪れ、
男性と女性に実験に協力してもらう中で出て来た結論です。
つまりどんな知識も最初から存在したのではなく、
その人の行動の結果、それが知識になっただけなのです。
最初から知識をまとめた本が出版されるのではなく、
行動の結果、それが知識になり本として出版されただけなのです。
桜田さんはもちろんですし、
あなたが自信がない自分から卒業する上でも、
知識を手に入れることに意識を向けることはないのです。
とにかく行動。
行動を続けることで変化が起こり、
その中で興味が出て来たら知識を補えば良い。
ただそれだけなのです。
私は桜田さんに対して、
必要最低限の知識を3つだけ伝えました。
そしてこの3つを素直に実践する様に伝えました。
「この3つだけ知っていれば、
後は行動すれば変化は起きる」
「まずは行動に集中して下さい」
桜田さんにそう伝え、
メールで状況を報告してもらう宿題を課しました。
仕事でもプライベートでも、
桜田さんは知識を意識し過ぎるあまり、
自分の気持ちを抑えて行動していました。
知識を使って行動しても、
「本当に良かったのかな…」と疑心暗鬼になる日々。
そして頭の中でモヤモヤした感情がたまり、
気づけばエネルギーを消耗してしまう状態でした。
ですが知識ではなく、まず行動すること。
自分自身に意識を向けて行動し始めたことで、
モヤモヤした感情を頭の中で抱え込まなくなりました。
もっとも印象的だったのは上司との会話。
いつも上司へ相談や報告する時は、
「この伝え方で大丈夫かな?」と事前に考え、
言葉を1つずつ選ぶかの様に準備をして伝えていたため、
結局何が言いたいのかわからない様な状態になっていました。
自分の話を聞いた上司の表情を見ても、
どこかピンと来ていない様子がわかり、
伝えた後は毎回モヤモヤした感情を抱えていました。
ですがぬいぐるみ心理学を実践し始めて、
「まずは自分の気持ちをそのまま伝えよう」と意識でき、
結果として上司との会話もスムーズになりました。
ポンポンと会話が続く様になり、
わからないことはわからないと伝えられ、
結果として仕事のスピードも早くなり定時で上がれる回数も増えたそうです。
そして改めて桜田さんとお話した時、
「伊庭さん、もうノートにメモを取らなくなりました!」と伝えて下さりました。
初めて私とお話した時は、
私の話を熱心にノートにメモしたり、
事前に考えて来た質問をされたり。
ですが2回目になるとノートすら出さず、
その場で思ったことを話し、聞ける様になったのです。
その場で話しながら浮かんだ言葉を話す。
知識ではなく行動の意識が染み付き始めているからこその変化だと思います。
もちろんノートにメモをすることは否定しませんが、
これまでの桜田さんは「メモしたい」のではなく「メモしなければ」だったのでしょうね。
メモをしたい時はして、そうでない時はしない。
自分の本心に素直に行動できる様になり始めていました。
知識ばかり増えて何も変わらない毎日。
私も過去に過ごしていたからこそ、
そうした状態から脱出し、
自信を生み出せる様になり始めるお客様を見れるのは、
私も本当に嬉しいです。
本日も最後まで読んで下さり、ありがとうございました!
このコラムの執筆者

伊庭 和高(いば かずたか)
千葉県千葉市出身。
2人兄弟の長男として生まれ、幼い頃から50体以上のぬいぐるみがある部屋で育つ。
早稲田大学教育学部卒業、同大学院教育学研究科修了。
在学中は教育学、コミュニケーション、心理学に専念する。
人間関係の悩みを根本から解決する有効な手法として、ぬいぐるみ心理学という独自の理論を開発。
これまで7年間で4000名以上のお客様にぬいぐるみ心理学を提供。性別・年齢・職業を問わず多くが効果を実感しており、日本全国はもちろん、世界からも相談が後を絶たない。
2014年10月から始めたブログは、今では850以上の記事があり、月に11万以上のアクセスがある。
受講者とぬいぐるみ心理学を通して実践的な関わりを続け、それぞれの「望む未来」の実現の手助けをしている。
2020年4月、ついに1冊目の著書『ストレスフリー人間関係〜ぬいぐるみ心理学を活用してあなたの人間関係の悩みを活用する方法〜』を出版(増刷)。Amazonおよび全国書店にて販売中。