17Oct
[最終更新日]2025/10/17
こんにちは、伊庭和高です。
「どうしてあの人は私の気持ちをわかってくれないんだろう」
「自分ばかり頑張って報われない気がする」
人間関係のなかで、こんな思いをしたことはありませんか?
誰かに期待することは悪いことではありません。
ですが期待する気持ちが強くなるほど、
「思った通りに動いてくれない相手」にイライラしたり、
「自分だけ空回りしている」ように感じてしまうことがあります。
他人に期待しすぎると疲れるのです。
今回はぬいぐるみ心理学の視点で、
「なぜ期待しすぎると疲れるのか」
「心を軽くする2つの習慣」についてお伝えします。
目次
人に期待しすぎる人の3つの心理
仕事でもプライベートでも、
人に期待しすぎるのは3つの心理背景があります。
どれか1つに該当することもあれば、
複数に当てはまることもあります。
①自分が我慢すればうまくいくと思い込んでいる
「波風を立てないように」「人に迷惑をかけてはいけない」と、
幼い頃から意識して育ってきた人ほど、
無意識に“我慢のルール”を抱えています。
その結果、他人に期待しながらも、
自分の気持ちを抑え込んでしまうのです。
そして「こんなに頑張っているのに…」と、
心の中で疲労が蓄積していきます。
「我慢してるのにどうして…」
「期待通りの反応が欲しい…」
無意識に相手に見返りを求め、
疲れ果ててしまうのです。
②「人を信じたい」「報われたい」という純粋な思いが裏目に出る
他人に期待しすぎる人ほど、
“人を信じたい”というピュアな心を持っている場合もあります。
ただその思いが強すぎると、
「信じていたのに裏切られた」という痛みに変わってしまうのです。
信頼と期待は似ていますが、心理的にはまったく別ものです。
信頼とは、「相手の選択を尊重する」こと。
期待とは、「相手を自分の理想通りに動かしたい」気持ちです。
自分軸と他人軸という言葉がありますが、
信頼は自分軸で、期待は他人軸なのです。
他人軸を前提に過ごしていると、
相手に期待しすぎて疲れてしまいます。
③完璧主義のため他人にも理想を求めてしまう
「ちゃんとした人でありたい」「ミスしたくない」という完璧主義の人は、
自分に厳しい分、相手にも無意識に“理想の基準”を押し付けてしまうことがあります。
そして相手がその基準に届かないと、
イライラしたり失望したりしてしまうのです。
完璧さを求めるのを否定しませんが、
完璧主義まで行くのはやりすぎです。
食べすぎ、飲みすぎと同様に、
何事もやりすぎると反動がやってきます。
完璧さを求めすぎるあまり、
相手にも期待しすぎてしまうのです。
なぜ、人に期待しすぎると疲れてしまうのか
私はぬいぐるみ心理学において、
すべての悩みの根本原因は自信のなさだとお伝えしています。
他人に期待しすぎて疲れてしまうのも、
自分の自信のなさが背景にあります。
詳細は無料メール講座でも解説していますが、
自信があれば他人に期待しすぎません。
相手に求めすぎず、
相手の反応に一喜一憂せず、
心穏やかに過ごせます。
先ほど紹介した3つの心理も、
背景には自信のなさがあります。
「自信のなさとは何なのか?」
具体的に解説していきます。
期待とは「自分の理想を相手に投影している状態」
私たちは無意識のうちに、
「こうしてほしい」「こうあるべき」といった自分の理想を、他人に投影しています。
「友人ならもっと気遣ってくれるはず」
「上司なら私の努力を認めてくれるはず」
「家族だからわかってくれるはず」
これらも他人への期待です。
しかし相手には、相手の価値観やタイミングがあります。
自分の理想と相手の現実にギャップが生まれるとき、
人は「裏切られた」と感じてしまうのです。
ただしどれだけ頑張っても、
相手の価値観やタイミングはコントロールできません。
他人へどれだけ期待しても、
他人の行動は他人次第なのです。
自信のなさが出てくるほど、
コントロールできない他人の行動に期待し、
悩みや問題を作り続けてしまいます。
承認欲求が強い人ほど他人に期待しすぎる
人は「他者承認」と「自己承認」の2つの欲求を持つと、
心理学では言われています。
他者承認とは、“誰かに認めてもらいたい”という思い。
この欲求が強い人ほど、
「相手がどう反応するか」にとらわれる傾向があります。
認めてもらいたい期待が強まり、
予想外の反応が返ってくるとモヤモヤするのです。
「相手を変えたい」と思うほど関係はぎこちなくなる
「もっとこうしてくれたらいいのに」と思うとき、
実はその裏には「相手を変えたい」という無意識の願望が隠れています。
でも、人は自分が変わりたいと思わなければ変わりません。
先ほどもお伝えしたように、
相手の行動をコントロールすることはできません。
相手を変えようとするたびに関係がぎこちなくなり、
距離が生まれてしまうのです。
幼少期の経験も影響している
私たちの自信のなさは、
幼少期の経験も影響しています。
生まれた時から自信がない人はいません。
泣きたい時に泣き、
笑いたい時に笑い、
欲しい物は欲しいと主張できていました。
それが成長し大人になるにつれ、
自信がなくなり期待すぎるようになったのです。
また私たちは親との関係が、
すべての人間関係のスタートです。
親と関わる中で自信のなさが形成され、
人に期待しすぎるようになるケースもあります。
「親にかまって欲しかった」
「親の顔色をうかがっていた」
「良い子を演じていた」
「親も期待しすぎる人だった」
たとえばこうした場合は、
子供にも悪影響が及ぶのです。
他人に期待しすぎる末路とは?
他人に期待しすぎる状況を放置しても、
幸せな未来は待っていません。
相手に自分の感情をゆだねている状態なので、
相手の反応でイライラもやもやする瞬間が増えます。
期待に応えて欲しいと思うあまり、
相手に求めすぎて関係が悪化することもあります。
相手も最初は親身になってくれても、
次第に期待されることに疲れてしまうのです。
仕事でもプライベートでも、
他人に期待しすぎても良いことはありません。
そして異動や転職や引っ越しなど、
環境を変えても問題は解決しません。
自分自身が変わらなければ、
環境を変えて人に期待しすぎてしまうのです。
人に期待しすぎる悩みは、
時間が解決してはくれないのです。
人に期待しすぎるのを改善する2つの方法
次にぬいぐるみ心理学の視点で、
人に期待しすぎるのを改善する方法を紹介します。
これから紹介する2つの方法を、
繰り返し実践してみてください。
自分の気持ちを声に出す
最初の方法が「自分の気持ちを声に出すこと」
人に期待しすぎる人ほど、
自分の気持ちを声に出していません。
普段から声に出さず、
頭の中で考える癖があります。
私たち人間の脳は頭の中で考えるほど、
ネガティブ思考が強まる習性があります。
一説では1日に頭の中で考える事柄の9割が、
ネガティブな内容だと言われています。
ネガティブに考えるほど自信もなくなりますし、
人に期待する気持ちが強まります。
相手に求めすぎてしまうのも、
頭の中で考えを巡らせている時なのです。
独り言で構いませんので、
まずは自分で自分の気持ちを声に出すことが、
現状を変える第一歩なのです。
頭に浮かんだ気持ちを、ぶつぶつ声に出していきましょう。
ちなみに自分の気持ちを声に出す上では、
ぬいぐるみを活用するのが効果的です。
詳細は無料メール講座でも解説していますが、
意識してぬいぐるみに触れることは、
自分の気持ちを声に出す上でも効果的です。
「どうしたいのか?」と問いかける
そして声に出した後は、
「どうしたいのか?」と問いかけること。
「どうしたいのか?」の主語は自分自身。
人に期待しすぎる人ほど、
自分を主語にして問いかけられていません。
自分より先に周りのことを考えてしまうのです。
「した方がいい」
「するべきだ」
「しなきゃいけない」
「して欲しい」
「してあげる」
たとえばこれらは自分を主語にできておらず、
周りのことを先に考えている状態です。
まさに他人軸になっているので、
相手に期待する気持ちばかり出てきます。
「どうしたいのか?」の主語は自分自身。
自分軸を持って問いかけられているので、
「〜したい」と人に期待したい結論を導き出せます。
「どうしたいのか?」という問いかけは、
人に期待しすぎるのを克服するために不可欠です。
「気疲れ」という言葉がありますが、
人に期待しすぎてしまうと、
気持ちが疲れた状態が続いてしまいます。
仕事でもプライベートでも、
生きづらさを感じやすくなるでしょう。
人に期待しすぎる根本原因は自信のなさ。
自信のなさと向き合いながら、
2つの方法を実践することで、
現状は今すぐに変えていけます。
「自信のなさとは何なのか?」
「どうすれば現状を変えられるのか?」
詳細は無料メール講座でも解説しているので、
合わせて学んでみてください。
本日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
このコラムの執筆者

伊庭 和高(いば かずたか)
自信の専門家。三重県鈴鹿市出身。その後、千葉県千葉市で育つ。
2人兄弟の長男として生まれ、幼い頃から50体以上のぬいぐるみがある部屋で育つ。
早稲田大学教育学部卒業、同大学院教育学研究科修了。
在学中は教育学、コミュニケーション、心理学に専念する。
人間関係の悩みを根本から解決する有効な手法として、ぬいぐるみ心理学という独自の理論を開発。
これまで9年間で7000名以上のお客様にぬいぐるみ心理学を提供。性別・年齢・職業を問わず多くが効果を実感しており、日本全国はもちろん、世界からも相談が後を絶たない。
2014年10月から始めたブログは、今では1000以上の記事があり、月に13万以上のアクセスがある。
2017年11月には株式会社マイルートプラスを設立。
心理コミュニケーションアドバイザーとして、受講者とぬいぐるみ心理学を通して実践的な関わりを続け、それぞれの「望む未来」の実現の手助けをしている。
2020年、初の著書『ストレスフリー人間関係〜ぬいぐるみ心理学を活用してあなたの人間関係の悩みを活用する方法〜』を出版。増刷しロングセラー中である。
2023年10月に三笠書房・王様文庫より『声に出すだけでモヤモヤがすっきりする本〜たった5秒のメンタルケア〜』を発売。
2025年9月にPHP研究所より『大人だって、ぬいぐるみに癒されたい!』を発売。
『女性自身』(2023年9月19日号)にて、カラー8ページでぬいぐるみ心理学が特集されるなど、活動の幅が広がっている。