9Aug
[最終更新日]2023/04/25
こんにちは、伊庭和高です。
「ぬいぐるみに話しかけること」
本日のテーマはこちらになります。
「普段ぬいぐるみに話しかけている」
「ぬいぐるみに話すのは変なのか?」
「大人になってもぬいぐるみに話しているのだが…」
私はぬいぐるみ心理学を伝えていますが、
こうした相談を受けることもあります。
何を隠そう私自身も、
子どもの頃からぬいぐるみに話しかけていました。
実際に言葉にして話しかけることもあれば、
心の中で語りかけることもありました。
そうした経験を土台にしながら
ぬいぐるみ心理学を完成させて来ました。
また私はぬいぐるみ心理学を提供していますが、
ぬいぐるみ心理学の理論を確立する上でも、
ライナスの毛布の考え方は大きな土台になっています。
そして私自身もオリジナルぬいぐるみを販売していますが、
ぬいぐるみが好きな方もそうでない方にも好評です。
特に触り心地については好評をいただいていますが、
話かけているという声もいただいています。
今回はぬいぐるみに話しかける心理背景について、
7000名以上のお客様と関わって来た経験や、
心理学等の理論的背景から解説していきます。
目次
ぬいぐるみに話しかける心理背景とは?
「なぜぬいぐるみに話しかけてしまうのか?」
心理背景をひと言で説明するならば、
「ぬいぐるみに心を許してしまうから」です。
友達や恋人、職場の同僚など、
私達は様々な相手と関わりますが、
どの相手よりも自分をさらけ出せるのがぬいぐるみなのです。
「いやいや、ぬいぐるみは人じゃない!」
「自分をさらけ出せると言われてもピンと来ない!」
この様に思われたかもしれませんが、
歴史を振り返ると、疑問は解決します。
歴史を振り返ると、
ぬいぐるみは古代から存在しました。
もちろん今の様なフワフワした物ではなく、
ワラ人形や土で作った人形の様なものが
ぬいぐるみのルーツだと言われています。
たとえば古代エジプトでは、
ぬいぐるみは呪いをかけるために使われていました。
「隣の国の王を殺してやる!」
この様な意味合いでぬいぐるみが使われていたのです。
呪いをかけるということは、
ぬいぐるみを単なる物ではなく、
生きているかの様に見立てて関わっていたと言われています。
魂を持った存在として考えるからこそ、
呪いをかけようという発想が生まれて来たのです。
ぬいぐるみの誕生から今まで、
私達はぬいぐるみを生きているかの様に見立ててしまう。
ぬいぐるみの好き嫌いに関係なく、
長い歴史の中で私達の脳に刻まれて来たのです。
ぬいぐるみは人じゃないと思っても、
人であるかの様に見立てて関わって来たと言えます。
ぬいぐるみと話すのが変じゃない理論背景
また臨床心理学の分野から見ても、
ぬいぐるみの前では心を許してしまいます。
赤ちゃんは1歳前後になると、
お母さんのもとを自力で離れて移動できると言われています。
そして自分で移動できる様になった時に、
ぬいぐるみに愛着を示しやすいと言われています。
お母さんのもとを1人で離れるのは不安もあります。
そんな不安を軽減してくれたり、
お母さんの様な安心感を抱ける対象が、
ぬいぐるみであると言われているのです。
赤ちゃんはお母さんに気を使いません。
=====
今ものすごく泣きたいけど、
夫婦ゲンカが始まったから
泣くのをやめておいた方が良いかな…
=====
こんなこと赤ちゃんは思わないですよね(笑)
赤ちゃんはお母さんの前で、
100%素の自分をさらけ出しています。
そんなお母さんの次に愛着を示し、
かつ生きている様に見立ててしまうぬいぐるみ。
ほぼ100%素の自分をさらけ出していると言えるのです。
そしてこれは赤ちゃんに限ったことではありません。
私はぬいぐるみ心理学を開発し、
7000名以上のお客様と関わって来ましたが、
大人もぬいぐるみの前では素の自分をさらけ出しているのです。
ぬいぐるみに話しかける効果
ぬいぐるみに話しかける人の心理背景を、
ここまで解決して来ました。
ここからはぬいぐるみに話すことで、
どの様な効果を実感しているのかを解説します。
実は自分が想像する以上に、
多くの効果を実感しているのです。
なお効果やメリットについては、
ぬいぐるみに話しながら自分の気持ちを整理できる
私達はぬいぐるみの前では、
無意識の内に素の自分をさらけ出してしまいます。
実際に声に出してみたり、
心の中で話しかけたりしながら、
自分で自分の気持ちを確認しているのです。
私達が日常で関わるどんな相手にも、
多少なりとも気を使ってしまいます。
相手に気を使えば使うほど、
自分の本音は出てこなくなります。
ですがぬいぐるみの前では、
一切そんなことはありません。
自分の本音がどんどん出て来るので、
自分の気持ちを整理することができるのです。
「何に悩んでいるのか?」
「何を実現したいのか?」
悩みの背景や願いの詳細について、
ぬいぐるみに話しながら整理できてしまうのです。
安心感や幸福感が感じられる
また最近の研究では、
ぬいぐるみと関わると脳内で
オキシトシンが分泌されると言われています。
オキシトシンンの別名は「幸せホルモン」
安心感や幸福感が得られます。
ぬいぐるみに触れたり一緒に寝たり、
目に見える所に置いてみることで、
オキシトシンが分泌されるのです。
・ぬいぐるみを見ているとホッとする
・ぬいぐるみと一緒に寝ると安心する
こうした感覚を抱くことがあるのも、
オキシトシンが分泌されるからなのです。
ぬいぐるみと意識して関わるだけで、
安心感や幸福感が得られてしまうのは、
自分の心を安定させる上でも効果的です。
癒し効果がある
またぬいぐるみに話しかけることで、
癒し効果があるとも言われています。
マッサージに行かなくても、
アロマの香りを嗅がなくても、
ぬいぐるみに話すだけで癒されるのです。
ぬいぐるみの前では心を許せてしまうので、
自然と気持ちもリラックスしやすいです。
また触り心地の良いぬいぐるみであれば、
触れているだけで自然と癒されますよね。
ぬいぐるみの世界で完結しない
ぬいぐるみに話しかける理由と
ぬいぐるみに話しかける効果について、
ここまでお伝えして来ました。
ぬいぐるみに話しかけるのは、
決して変なことではありません。
むしろ様々な効果があり、
誰でも手軽に実践できると言えます。
ですが1つだけ、注意点があります。
ぬいぐるみに話しかけるのは良いのですが、
ぬいぐるみの世界で完結しないで下さい。
「ぬいぐるみの前では癒された」
「ぬいぐるみには心を許せた」
実はこれ、ぬいぐるみの世界で完結している危険性があります。
日常生活の中で悩みを抱えていたとしたら、
ぬいぐるみにどれだけ話しかけても
悩みは解決しないのです。
一時的にスッキリするかもしれませんが、
日常に戻れば同じ悩みを繰り返してしまいます。
「苦手な上司の前で気を使ってしまう」
例えばこの様な悩みを抱えていて、
ぬいぐるみに話しかけることで
癒されたり自分の本音に気づけたりします。
ですがどんなにぬいぐるみに話しても、
苦手な上司の前で気を使ってしまう状況は変わりません。
ある意味、ストレス発散として
ぬいぐるみと関わってしまうことがあるのです。
私はぬいぐるみ心理学を通して、
ぬいぐるみと日常をつなぐことを重視しています。
ぬいぐるみと関わりながら自分の気持ちに気づき、
日常の悩みを解決し理想の毎日を実現すること。
最終的には日常が変わることが大切なので、
悩みを解決する手段としてぬいぐるみと関わることが重要です。
既にぬいぐるみが好きな人でも、
そこまで興味のない人でも、
ぬいぐるみと関わることで理想の毎日を手に入れることはできます。
板野さんの事例
ここでお客様のエピソードを紹介します。
大阪府在住の板野さん(仮名)は、
ぬいぐるみに関して検索する中で
偶然私のことを知りました。
人間関係の悩みを抱いており、
特に仕事で悩みに直面していました。
=====ここから=====
「会議等の大事な場面になると自分の意見が言えない」
「思ってもいないのに相手の意見に同調してしまう」
「苦手な上司と関係が上手くいかない」
何年もの間、仕事の人間関係で悩んでいました。
実は1度転職をしたことがあり、
以前の職場でも似た様な悩みを抱いていました。
「職場が自分に合ってない」と思い転職したものの、
新たな職場でも同様の悩みに直面している状況。
再び転職したとしても、
きっと同じ様な状況になると感じていました。
私は一人暮らしをしているのですが、
仕事から帰るとぬいぐるみに話しながら、
1日のモヤモヤを解消するのが日課になっていました。
ちょうど1人暮らしを始めた頃から、
ぬいぐるみを欲しいと思う様になりました。
クマのぬいぐるみがいるのですが、
毎日の様に関わる様になって来たことで、
「大人なのに変なのでは?」と思い検索した所、
伊庭さんのことを知りました。
そして伊庭さんのお話を聞く中で、
私はぬいぐるみの世界で完結していたことに気づきました。
「何とか仕事の悩みを解決したい!」
この一心で、ぬいぐるみ心理学を実践することにしました。
=====ここまで=====
板野さんにどんな変化が起こったか?
私は板野さんの話を聞きながら、
悩みを解決するためのぬいぐるみの関わり方を解説しました。
また板野さん個別の状況を踏まえて、
日常で意識する専用の課題を作成しました。
ぬいぐるみ心理学を実践することで、
板野さんの日常に着実に変化が生まれました。
=====ここから=====
毎日の様にぬいぐるみと関わっていましたが、
「悩みを解決するため」という視点は持てていませんでした。
単にストレス発散にしかなっておらず、
ぬいぐるみの世界で完結していたのです。
様々な関わり方を教えてもらいましたが、
ぬいぐるみを正面から見つめる関わり方は、
特に衝撃を受けました。
今の自分が壁に直面している背景や、
本当はどうしたいのかとい本心が、
ぬいぐるみを通して伝わって来たのです。
時に強烈なメッセージもありましたが、
今の自分が前に進むためのヒントを、
ぬいぐるみはストレートに伝えてくれたのです。
また伊庭さんの教えを実践する中で、
日常で意識するポイントもわかりました。
私の場合、ぬいぐるみの前でしか
自分の気持ちを声に出せていませんでした。
仕事中も意識して、
自分で自分の気持ちを声に出すことで、
悩みを抱く時間も激減し、
想像以上に早く悩みが解決する様になりました。
大事な場面でも勇気を出して
自分の意見が言える様になったり、
相手の意見に同調することも減りました。
上司に対する苦手意識もなくなり、
ストレスなく関われる様になりました。
「何か最近明るくなったよね!」
同僚からこの様に言われることも増え、
何より自分でも自分の変化に気づける様になりました。
短期間で一気に仕事の状況が変わり、
ぬいぐるみ心理学の効果を実感しています。
ぬいぐるみと関わることで自分に自信が持てる
ぬいぐるみに話しかけることで、
様々な効果が得られます。
ぬいぐるみに話しかけて来たことで、
様々な効果を無意識の内に感じられていたのでしょう。
そして大事なのは、
「ぬいぐるみの世界で完結しないこと」です。
日常で悩みが解決したり、
理想の毎日を実現するために、
ぬいぐるみと意識して関わっていくことです。
ぬいぐるみの前でだけ心を許せても、
日常の悩みが一向に解決していなければ、
悩みを抱き続ける状況は続いてしまいます。
ぬいぐるみと関わりながら自分の気持ちに気づき、
自信を持って毎日を過ごせる様になります。
日常で悩みを解決するためのポイントや、
ぬいぐるみとの関わり方等については、
無料メール講座でも詳しくお伝えしています。
合わせて読んでみてください。
本日も最後まで読んで下さり、ありがとうございました!
このコラムの執筆者
伊庭 和高(いば かずたか)
千葉県千葉市出身。
2人兄弟の長男として生まれ、幼い頃から50体以上のぬいぐるみがある部屋で育つ。
早稲田大学教育学部卒業、同大学院教育学研究科修了。
在学中は教育学、コミュニケーション、心理学に専念する。
人間関係の悩みを根本から解決する有効な手法として、ぬいぐるみ心理学という独自の理論を開発。
これまで7年間で5000名以上のお客様にぬいぐるみ心理学を提供。性別・年齢・職業を問わず多くが効果を実感しており、日本全国はもちろん、世界からも相談が後を絶たない。
2014年10月から始めたブログは、今では1000以上の記事があり、月に13万以上のアクセスがある。
2017年11月には株式会社マイルートプラスを設立。
心理コミュニケーションアドバイザーとして、受講者とぬいぐるみ心理学を通して実践的な関わりを続け、それぞれの「望む未来」の実現の手助けをしている。
2020年、初の著書『ストレスフリー人間関係〜ぬいぐるみ心理学を活用してあなたの人間関係の悩みを活用する方法〜』を出版。増刷しロングセラー中である。
2023年10月に三笠書房・王様文庫より『声に出すだけでモヤモヤがすっきりする本〜たった5秒のメンタルケア〜』を発売。
『女性自身』(2023年9月19日号)にて、カラー8ページでぬいぐるみ心理学が特集されるなど、活動の幅が広がっている。