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ぬい撮りとは何か?【流行する心理背景を解説】

[最終更新日]2024/01/07

こんにちは、伊庭和高です。

今回はぬい撮りについて解説します。

 

私はぬいぐるみ心理学を開発し、

これまで5000名以上の方と関わってきましたが、

ぬい撮りについて話題になることもあります。

 

最近では「ぬい活」という言葉も登場していますが、

インスタで「#ぬい撮り」と検索すると、

2023年時点で333万以上の写真が表示されるほどです。

 

ある意味、社会現象になっているとも言えますし、

ぬい撮りをしている人を見たことが、

一度はあるかもしれません。

 

今回はぬいぐるみ心理学の視点で、

ぬい撮りについて詳しく解説します。

 

ぬい撮りとは何か?

ぬい撮りを広く定義するなら、

「様々な場所でぬいぐるみの写真を撮ること」

 

ただ注目して欲しいのは、

ぬいぐるみと自分が一緒に撮るのではなく、

ぬいぐるみを主役に写真を撮ることをぬい撮りと読んでいます。

 

・レストランで出て来た料理とぬいぐるみ

・芝生の上にぬいぐるみを置く

・お店の看板の横にぬいぐるみを置く

 

この様にシチュエーションによって、

多種多様なぬい撮りが行われています。

 

大人もぬい撮りにハマっている

ぬい撮りにハマっているのは、

子どもだけでなく大人もです。

 

むしろ最近は大人がハマる様子が、

メディア等でも取り上げられています。

 

旅先にぬいぐるみを連れて行き、

景色と一緒に写真を撮る人もいます。

 

また最近では著名人の方も、

ぬいぐるみ好きを公言していることがあります。

 

実際私も『女性自身』(2023年9月19日号)にて、

カラー8ページでぬいぐるみ心理学が特集された際は、

大人の男性がぬいぐるみと関わることの心理背景を解説しました。

 

ぬい撮りをする人の心理背景

 

「一体なぜ流行しているのか?」

ぬい撮りをする人の心理背景を解説します。

 

3つの心理がありますが、

どれか1つに該当することもあれば、

複数に当てはまることもあります。

 

ありのままの自分が出せる

著書『ストレスフリー人間関係』でも解説していますが、

ぬいぐるみは心理学の目線から見て、

ありのままの自分が出せる存在です。

 

私たちの成長過程でぬいぐるみは、

お母さんの様な安心感を感じる存在だと言われています。

 

お母さんに気を使う赤ちゃんはおらず、

100%素の自分をさらけ出しています。

 

つまり私たちはぬいぐるみの前で、

ほぼ100%素の自分を出してしまうのです。

 

仕事で疲れたり、

良い子を演じている状態だとしても、

ぬいぐるみの前では素でいられます。

 

ぬい撮りをすることで、

本来の自分を実感できるのです。

 

癒しを求めている

ぬいぐるみに触れるほど、

オキシトシンというホルモンが脳内で分泌されます。

 

これは「幸せホルモン」とも呼ばれており、

幸福感や癒しやリラックスにつながるのです。

 

ぬいぐるみと関わることで、

心がほっこりしたり癒されるのです。

 

ぬい撮りをするということは、

ぬいぐるみを持ち歩くわけです。

 

それだけ癒しも得られますし、

穏やかな気持ちになれるのです。

 

人間関係に疲れている

仕事やプライベートで、

人間関係に疲れている人ほど、

ぬい撮りに価値を感じています。

 

人目を気にしていたり、

自分の気持ちを我慢していると、

日々の中でストレスも蓄積されます。

 

ぬいぐるみに気を使う人はいませんし、

自分の気持ちをすべて受け止めてくれる存在です。

 

ぬい撮りをすることで、

人間関係の疲れを一時的に忘れ、

心穏やかな気持ちになれるのです。

 

SNSで繋がりを感じられる

そして自分が撮影した写真は、

SNSにアップすることもできます。

 

見ず知らずの人であっても、

「ぬい撮り」という共通点があれば、

それだけで親しくなれます。

 

ぬい撮りにコメントやいいね!をしながら、

交流を楽しむこともできます。

 

一人でぬい撮りをするのも良いですし、

不特定多数の人とつながれることも、

ぬい撮りが流行する背景にあるのです。

 

ぬい撮りに対するネガティブな声も

「大人になってぬい撮りをするのは気持ち悪い」

「ぬい撮りをする人を見ていると痛い」

 

実はぬい撮りに対して、

ネガティブな声も一部ではあります。

 

特にぬいぐるみに関心がない人からは、

変な目で見られてしまうこともあるでしょう。

 

ただしぬいぐるみの歴史を振り返ると、

大人がぬいぐるみと関わることは、

決して変なことではないのです。

 

こちらも著書の中で解説していますが、

歴史を振り返ると、

ぬいぐるみは古代エジプトの頃から存在しました。

 

当時は今の様なふわふわしたものではなく、

土やワラ等で作った物がぬいぐるみのルーツでした。

 

そして当時のぬいぐるみは、

呪いをかけたり宗教儀式で使われていました。

 

つまり危なくて子どもは触れてはいけなかったのです。

 

本来ぬいぐるみは大人が使うものだったので、

ぬい撮りをするのは変なことではありません。

 

ぬいぐるみは生きている?

ちなみに呪いや宗教儀式で使われていたので、

ぬいぐるみは単なる物ではなく、

魂を持った存在として考えられていました。

 

生きていると見立てているからこそ、

呪いをかけようという発想が生まれるのです。

 

ぬい撮りをしながら無意識のうちに、

ぬいぐるみを生きている様に見立てている人もいます。

 

ぬいぐるみに心がある様に感じたり、

ぬいぐるみを人に見立ててしまうのは、

決して変なことではありません。

 

ぬいぐるみの市場規模は拡大している

一般社団法人日本玩具協会は、

『玩具市場規模データ』を実施しています。

 

そのデータによると、

日本国内におけるぬいぐるみの市場規模は

年々拡大傾向にあることがわかります。

 

具体的には以下の通りです。

 

2016年度234,1億円

2017年度249,9億円

2018年度262,6億円

2019年度267,3億円

2020年度263,1億円

2021年度283,3億円

2022年度320,4億円

 

そもそも少子化が進んでいるので、

もしぬいぐるみを子どもしか買わないなら、

市場規模は減少しているはずです。

 

市場規模が拡大傾向にあるということは、

子どもだけでなく大人がぬいぐるみを購入しているからだと推測しています。

 

単なるおもちゃではなく、

インテリアとしてお店に置かれるケースもありますし、

ぬい撮りをする人もいます。

 

あるいは推し活の一環として、

推しのぬいぐるみを購入する人もいます。

 

つまり大人がぬいぐるみを持つことは、

社会的にも一般的になっていると言えます。

 

ぬいぐるみに依存してしまうと逆効果

ただし注意が必要なのは、

ぬいぐるみに依存してしまうこと。

 

もしぬい撮りをしている人の中で、

ぬいぐるみに依存してしまったならば、

日常生活で悪影響が出てしまいます。

 

「ぬいぐるみの前でだけ自分を出せる」

「ぬいぐるみしか自分のことをわかってくれない」

 

これはぬいぐるみの世界で完結している状態です。

 

たとえば仕事の人間関係に悩み、

周囲に気を使いすぎているとします。

 

ぬいぐるみと関わっている間は、

心も癒され素の自分でいられるでしょう。

 

ですが仕事の悩みが解決するわけではありません。

 

これでは苦しい状況は変わりませんし、

ぬいぐるみがストレス発散の手段になってしまいます。

私はぬいぐるみ心理学において、

ぬいぐるみを悩みを解決する手段として活用する大切さをお伝えしています。

 

一時的なストレス発散にならず、

ぬいぐるみに依存することもせず、

日常の悩みを解決することが大事です。

 

悩みを解決するための、

ぬいぐるみとの関わり方があります。

 

詳細は無料メール講座でも解説していますが、

ぬいぐるみの前でだけで完結せず、

仕事やプライベートでも現状を変えるために、

具体的な行動へと移す必要があります。

 

まとめ

今回はぬい撮りをする人の心理背景を、

ぬいぐるみ心理学の視点で解説しました。

 

大人がぬいぐるみを持つことは、

歴史的な背景を踏まえても、

決して変なことではありません。

 

ぬい撮りを楽しむ人が増えるのも、

良い傾向だと言えます。

 

本日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

このコラムの執筆者

伊庭 和高

伊庭 和高(いば かずたか)

         

千葉県千葉市出身。
2人兄弟の長男として生まれ、幼い頃から50体以上のぬいぐるみがある部屋で育つ。
早稲田大学教育学部卒業、同大学院教育学研究科修了。
在学中は教育学、コミュニケーション、心理学に専念する。
人間関係の悩みを根本から解決する有効な手法として、ぬいぐるみ心理学という独自の理論を開発。
これまで7年間で5000名以上のお客様にぬいぐるみ心理学を提供。性別・年齢・職業を問わず多くが効果を実感しており、日本全国はもちろん、世界からも相談が後を絶たない。
2014年10月から始めたブログは、今では1000以上の記事があり、月に13万以上のアクセスがある。
心理コミュニケーションアドバイザーとして、受講者とぬいぐるみ心理学を通して実践的な関わりを続け、それぞれの「望む未来」の実現の手助けをしている。
2020年、初の著書『ストレスフリー人間関係〜ぬいぐるみ心理学を活用してあなたの人間関係の悩みを活用する方法〜』を出版。増刷しロングセラー中である。
2023年10月に三笠書房・王様文庫より『声に出すだけでモヤモヤがすっきりする本〜たった5秒のメンタルケア〜』を発売。
『女性自身』(2023年9月19日号)にて、カラー8ページでぬいぐるみ心理学が特集されるなど、活動の幅が広がっている。