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キダルトとは何なのか?ぬいぐるみとの関係性を心理学の視点で解説

[最終更新日]2024/11/05

こんにちは、伊庭和高です。

 

私はぬいぐるみ心理学を開発し、

これまで7,000名以上のお客様のサポートをしてきました。

 

また著書の出版やメディア出演を通して、

ぬいぐるみ心理学を広く伝えてきました。

 

その中で近年、「キダルト」という言葉がよく聞かれる様になりました。

 

今回はキダルトとは何なのか、

ぬいぐるみ心理学の視点で解説していきます。

 

キダルトとは何か?

キダルトとは「キッズアダルト」の略。

子供(キッズ)と大人(アダルト)を組み合わせた造語なのです

 

「子供の様な心を持った大人のこと」を表します。

 

この言葉自体は最近になってよく聞く様になりましたが、

韓国やオーストラリアでは同時期に流行語となったりと、

5年、10年近く前から世の中に登場する様になりました。

 

また子供の様な心を持った大人については、

はるか昔の古代から認識されていたとも考えられています。

 

その意味で、キダルトは人類の歴史上でも早くから発祥していたのでしょう。

 

キダルト層を対象にしたおもちゃ市場が活性化

実は日本のおもちゃ市場では近年、

キダルト層をターゲットにし始めています。

 

たとえばファストフード店のメニューで、

子供向けであるはずのオマケのおもちゃが、

瞬時に大量に大人に買い占められてなくなったこともありました。

 

転売等の可能性もあり得ますが、

子供だけでなくキダルト層が購入した可能性もあるのです。

 

あるいは最近のおもちゃ市場では、

大人も遊べるおもちゃが人気を集めています。

 

以前に流行したおもちゃのリバイバル品や、

大人が思わず買いたくなるおもちゃが、

ラインナップされる様になっているのです。

 

子供の様な心を持った大人だからこそ、

子供よりもお金を持っているわけなので、

その分だけメーカーの利益にもつながるでしょう。

 

キダルトとぬいぐるみの関係性

そしてキダルト層に人気のおもちゃの1つが、

ぬいぐるみなのです。

 

「ぬいぐるみは子供が遊ぶものでしょ?」と思う人もいます。

 

しかし実は現代ではむしろ、

大人の方がぬいぐるみを持っていると言えます。

 

一般社団法人日本玩具協会が2024年7月に、

『玩具市場規模データ』を発表しました。

 

毎年の様に発表されているデータなのですが、

その中で玩具の中でもぬいぐるみの市場規模は、

おおむね年々拡大傾向にあることがわかりました。

 

2023年度390,6億円

2022年度323,5億円

2021年度279,7億円

2020年度263,1億円

2019年度267,3億円

2018年度262,6億円

2017年度249,9億円

2016年度234,1億円

 

これがぬいぐるみの市場規模なのです。

 

そもそも少子化が進んでいるので、

もしぬいぐるみを子供しか買わないなら、

市場規模は減少しているはずです。

 

市場規模が拡大傾向にあるということは、

子供だけでなく大人がぬいぐるみを購入しているからだと考えられます。

 

近年では推し活もブームですが、

推しのぬいぐるみを身に着ける人もいます。

 

キダルト層がぬいぐるみを買っている可能性も高いのです。

 

キダルト層の心に刺さるぬいぐるみ

「一体なぜぬいぐるみが大人に人気なのか?」

 

心理学的にぬいぐるみとは、

無条件の安心感を感じられる対象だと考えられています。

 

ぬいぐるみが身の回りにあると、

リラックスできたり不安が軽減されるのです。

 

赤ちゃんがお母さんに抱く安心感を、

私たちはぬいぐるみに抱いてしまうと言われています。

 

子供の様な心を持った大人がキダルトなので、

子供の様な心に寄り添ってくれる存在がぬいぐるみなのです。

 

また大人になってぬいぐるみを持つことは、

決して恥ずかしいことではありません。

 

歴史を振り返るとぬいぐるみは、

古代エジプトの頃から存在したと言われています。

 

その頃のぬいぐるみは宗教儀式や、

呪いをかけるために使われていました。

 

非常に神聖なものだったので、

子供は触れてはいけなかったのです。

 

当時のぬいぐるみは大人が使うものだったのです。

 

つまり歴史を振り返れば、

大人がぬいぐるみを持つのは普通のことなのです。

 

最後に

キダルト層について解説してきましたが、

キダルト層はぬいぐるみを持ちやすいと言えますし、

ぬいぐるみ市場も実際に拡大しています。

 

またそれ以外のおもちゃ市場も、

キダルトをターゲットにし始めています。

 

子供の様な心を持った大人にとって、

ぬいぐるみはどんな時も自分に寄り添ってくれる存在です。

 

最近では有名人がぬいぐるみを持つのを公言するケースも増えているほどです。

 

今回はキダルトを取り上げましたが、

ぬいぐるみを持つことで多くの好影響があるので、

ぬいぐるみの可能性が一層広がれば私も嬉しいです。

 

本日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

このコラムの執筆者

伊庭 和高

伊庭 和高(いば かずたか)

         

千葉県千葉市出身。
2人兄弟の長男として生まれ、幼い頃から50体以上のぬいぐるみがある部屋で育つ。
早稲田大学教育学部卒業、同大学院教育学研究科修了。
在学中は教育学、コミュニケーション、心理学に専念する。
人間関係の悩みを根本から解決する有効な手法として、ぬいぐるみ心理学という独自の理論を開発。
これまで7年間で5000名以上のお客様にぬいぐるみ心理学を提供。性別・年齢・職業を問わず多くが効果を実感しており、日本全国はもちろん、世界からも相談が後を絶たない。
2014年10月から始めたブログは、今では1000以上の記事があり、月に13万以上のアクセスがある。
2017年11月には株式会社マイルートプラスを設立。
心理コミュニケーションアドバイザーとして、受講者とぬいぐるみ心理学を通して実践的な関わりを続け、それぞれの「望む未来」の実現の手助けをしている。
2020年、初の著書『ストレスフリー人間関係〜ぬいぐるみ心理学を活用してあなたの人間関係の悩みを活用する方法〜』を出版。増刷しロングセラー中である。
2023年10月に三笠書房・王様文庫より『声に出すだけでモヤモヤがすっきりする本〜たった5秒のメンタルケア〜』を発売。
『女性自身』(2023年9月19日号)にて、カラー8ページでぬいぐるみ心理学が特集されるなど、活動の幅が広がっている。