26Oct
[最終更新日]2023/03/13
こんにちは、伊庭和高です。
さて、私がぬいぐるみ心理学を実践している中で
よく聞く相談の1つに、
「大人になってもぬいぐるみが手放せない」
「恋人がいい年して、ぬいぐるみを持っている」
といったものがあります。
「大人になってぬいぐるみを持っていること」
良いのか悪いのか、
関係者だけでなく当事者自身も
困っているケースが見られます。
そこで、ぬいぐるみ心理学を提供する私から、
「大人になってもぬいぐるみを持ち続ける理由」
について、独自の視点から伝えていきます。
理由1:友達感覚で捉えているため
これは一番イメージがつきやすいでしょう。
子どもの頃から持っているぬいぐるみであれば
友達感覚で関わってきたので、
引っ越しや結婚等、人生の分岐点にも
ぬいぐるみを連れて行きます。
場合によっては一緒にベッドで寝たり、
部屋に飾ったり食卓に並んだりするでしょう。
ネット掲示板の悩みでも、
奥さんがぬいぐるみを食卓に座らせて困惑する
旦那さんのケースがありました。
ただ、これもぬいぐるみ心理学では、
「人間関係の特徴」の1つとして分析できます。
特に気にすることはないでしょう。
ちなみに歴史をひも解くとぬいぐるみは、
古代エジプトから存在したと言われています。
その頃ぬいぐるみは宗教や呪術に使われ、
単なる物ではなく魂を持った存在として
考えられていました。
※呪いの人形をイメージするとわかりやすいです
当時と今では使用目的こそ異なりますが、
魂を持った存在だと無意識に思うからこそ、
友達感覚で捉えているのでしょうね。
理由2:大切な思い出が詰まっているため
理由1と重なることもあるのですが、
たとえ長年連れそっていなくても
大切な思い出が詰まっているのであれば、
ぬいぐるみを持ち続けることがあります。
例えば、以前付き合った人にもらった抱き枕を
今でも持っているケース。
もちろん恋人がいない状態であれば、
以前の恋人を引きずっているのかもしれません。
しかし既に別の恋人がいる場合、
この理由は必ずしも当てはまりません。
以前付き合っていた人との間に
何らかの居心地の良さを感じていたからこそ、
ぬいぐるみを持ち続けていると考えられます。
今の恋人との関係に不満なわけではない。
でも、「居心地の良さ」を感じる要素があったからこそ、
ぬいぐるみを手放せないでいる。
こうしたケースはあります。
ちなみにこうしたケースは
自然に消えていくことが多いです。
新しい恋人と付き合い始めて、
最初は以前の恋人のぬくもりが忘れられずに
持っていたぬいぐるみ。
しかし、新しい恋人との関係に
満足していくにつれて、
以前の恋人のぬいぐるみはなくなります。
ベッドの中から部屋のはじっこに。
部屋のはじっこから押し入れの中へ。
気づけば捨てていた…
次第に消えて行くことが多いです。
もちろん単に
「寝心地が良い」といった便利さのため、
持ち続けている場合もあります。
理由3:ストレスを吐き出している可能性
さて、気になるのはこの理由です。
ぬいぐるみと関わることで
ストレスを吐き出そうとしているケースです。
この場合は、
周囲が早めに気にかけることが必要です。
臨床心理学という分野では、
人はぬいぐるみに理想の世界を
重ね合わせることが証明されています。
見方を変えれば人はぬいぐるみを
自分の都合の良い様に扱います。
例えば、ぬいぐるみ心理学を提供する中で
こんなエピソードがありました。
※一部、状況設定を変えています。
Aさんは職場で突然の異動を経験しました。
新しい職場では、上司からキツく
怒られることばかりでした。
そうした状況が半年ほど続いた中で、
Aさんは実家に眠っていた
クマのぬいぐるみを発見しました。
そして次第にクマのぬいぐるみへ
話しかける様になっていきました。
「いつも私のことを受け入れてくれるね…」
話しかける途中で涙を流すこともありました。
こうして、上司に怒られれば怒られる程、
Aさんは帰宅後ぬいぐるみに対して
想いを打ち明け続けました…
さてこの場合、Aさんは職場で
ストレスを溜め込んでいました。
その結果、自分の都合の良い様に扱える
ぬいぐるみに助けを求めたのです。
もちろん、決して反論しないぬいぐるみに
悩みを打ち明けることで、
一時的に気持ちが楽になる効果はあります。
しかし、職場で上司に怒られる状況
そのものは解決できていないわけで、
これではストレスがたまり続けていきます。
その結果として心身のどちらかに
何らかの病気を発症するリスクが生まれます。
こうした状況になっている場合、
自分で気づけるかどうかがまず大事です。
「最近ぬいぐるみに時間とり過ぎじゃないか?」
もしこのように思ったのなら、
すぐに現状を整理する必要があります。
ただし悩みと向き合うことは、
自分1人では難しい場合があります。
そのため周囲の人が異変に気づいたら、
サポートすることが重要になってきます。
「最近どうしたの?」
「何か悩んでることあるの?」
「私も大変なんだー」
悩みを聞き出したり、
話しやすい状況を作り出すと良いでしょう。
ちなみにAさんとは真逆で、
ストレスがたまるとぬいぐるみを叩いたり
蹴ったりするケースもあります。
「クレヨンしんちゃん」のネネちゃんのママを
イメージして下さい(笑)
これも、一時的には楽になりますが、
ストレスの根本的な解決にはなっていません。
気づいたら、声をかけてあげることが大事です。
最後に
ぬいぐるみに気を使う人はいません。
好き嫌いに関わらず、
私達は無意識の内に安心しきった姿を
ぬいぐるみに見せています。
ぬいぐるみが身近にあることで、
いつでも安心感を感じられる。
人には言えない悩みを打ち明けたり、
夢や目標を打ち明けたり、
実際に声に出して伝えるかは別として、
私達はぬいぐるみに本音を出しています。
とはいえ1つ注意が必要なのは、
ぬいぐるみの世界で完結しないこと。
「ぬいぐるみの前では安心できるけど、
人間関係の悩みを抱え続けている…」
「同じ悩みを何度も繰り返しているけど、
ぬいぐるみを通して癒されている」
確かに一時的には満たされますが、
悩みの根本原因が解決していないので、
悩みを抱え続けることになります。
過去の私もそうでしたが、
ぬいぐるみが好きだったり、
日常的に関わっている人の場合は、
上記の傾向がある人は意外と多いです。
ぬいぐるみの前でだけ安心できるのではなく、
日常生活でも安心できる状態を
自分で作っていくこと。
安心感はいつでも自分から
生み出すことができます。
ぬいぐるみ心理学では、
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学んでいたたければと思います。
本日も最後まで読んで下さり、ありがとうございました!
このコラムの執筆者
伊庭 和高(いば かずたか)
千葉県千葉市出身。
2人兄弟の長男として生まれ、幼い頃から50体以上のぬいぐるみがある部屋で育つ。
早稲田大学教育学部卒業、同大学院教育学研究科修了。
在学中は教育学、コミュニケーション、心理学に専念する。
人間関係の悩みを根本から解決する有効な手法として、ぬいぐるみ心理学という独自の理論を開発。
これまで7年間で5000名以上のお客様にぬいぐるみ心理学を提供。性別・年齢・職業を問わず多くが効果を実感しており、日本全国はもちろん、世界からも相談が後を絶たない。
2014年10月から始めたブログは、今では1000以上の記事があり、月に13万以上のアクセスがある。
2017年11月には株式会社マイルートプラスを設立。
心理コミュニケーションアドバイザーとして、受講者とぬいぐるみ心理学を通して実践的な関わりを続け、それぞれの「望む未来」の実現の手助けをしている。
2020年、初の著書『ストレスフリー人間関係〜ぬいぐるみ心理学を活用してあなたの人間関係の悩みを活用する方法〜』を出版。増刷しロングセラー中である。
2023年10月に三笠書房・王様文庫より『声に出すだけでモヤモヤがすっきりする本〜たった5秒のメンタルケア〜』を発売。
『女性自身』(2023年9月19日号)にて、カラー8ページでぬいぐるみ心理学が特集されるなど、活動の幅が広がっている。