24May
[最終更新日]2020/11/09
こんにちは、伊庭和高です。
この前お客さんと話していて改めて確信してのですが、
実はぬいぐるみ心理学は、保育園や幼稚園でも活用できます。
ぬいぐるみとの関わり方を見るだけで、
人付き合いのパターンが導き出せる。
園児が何を考えて振る舞っているのかがわかるばかりか、
園児が無意識の内に求めているものも手に取るようにわかる。
だからこそ、保育園や幼稚園をより良いものにする上で、
ぬいぐるみ心理学はものすごく使えるんです。
では、具体的にどのように活かしていけば良いのか。
直接お伝えできないため限りはありますが、
できる限り詳細にお伝えしていきます。
園内にぬいぐるみを置いてみる
人はぬいぐるみに無意識の内に、
ありのままの自分をさらけ出しています。
園児の家庭背景は様々であり、
ぬいぐるみ好きの子もいればこれまで関わったことがない子までいます。
ですので、まずは園が主導でぬいぐるみを置くのです。
それも園児の手の届かない所に飾るのではなく、
普段から手に取れる様な形にしておくことです。
例えば、おもちゃ箱にぬいぐるみを10体入れてみたり、
クツ箱にぬいぐるみを吊るしてみたり。
園児がぬいぐるみを手に取れる環境を作り出してください。
この時にポイントなのは、なるべく様々なぬいぐるみを置くことです。
動物から人間のぬいぐるみ、
最近流行のキャラクターのぬいぐるみまで。
あるいは、大きさも様々なものを置くのです。
どのようなぬいぐるみに興味を示すのかによっても、
その子が相手に対して求めているものがわかります。
幅広いぬいぐるみを用意してください。
人は無意識の内にぬいぐるみに素の自分をさらけ出す。
大人はもちろん、子どもにも当てはまります。
子どもによってぬいぐるみとの遊び方は違います。
ベッドに寝かしつけたり、
ブンブン振り回したり、
1週間ごとに違うぬいぐるみで遊んだり、
大事なのは、「理由を聞くこと」です。
「ゆうと君はどうしてぬいぐるみを寝かしつけてるの?」
このように聞いていくと、
その子が人付き合いで何を大切にしているのか、
核心が見えてきます。
定期的に保護者の方と会う時に、
「その子の良い所や悪い所を見つけないと…」と、
一生懸命に所見をひねり出すことってありませんか?
でも、ぬいぐるみとの関わり方を見ていけば、
何も準備しなくても自然と、その子の特性が見えてきます。
ぬいぐるみに見せている姿は、
無意識の内に相手に求めている要素でもあります。
園の先生だけでなく、保護者の方も気づいていない。
そんなケースが意外とあるんです。
例えば、先ほどのゆうと君を取り上げます。
「ゆうと君はどうしてぬいぐるみを寝かしつけてるの?」
「だって他のみんなもやってるから…」
「どうして他のみんなもやってると、ゆうと君もやるの?」
「だから、他のみんながやってるから自分もやろうと思って…」」
この場合、ゆうと君は自然と周りのことを考えられる特性があります。
裏表なく自分よりも相手のことを考えられ、
自然と相手が求める振る舞いができるのです。
ただ、一歩間違えると相手に合わせすぎてしまい、
自分の想いを伝えることを抑えてしまうかもしれない。
自己犠牲とも隣り合わせであると言えます。
この特性は、ゆうと君のぬいぐるみとの関わりに対して、
「どうして?」と理由を聞いたことで導き出せたものです。
これを所見として保護者の方に伝えれば良いのです。
さらに面白いのが、ぬいぐるみは自宅に簡単に置けるものなので、
保護者の方が自ら家庭教育として取り入れることができるんです。
私も以前に高校に勤めていたことがあるので、
「どれだけ学校で頑張っても家庭で…」といった声はよく耳にしました。
ただ、ぬいぐるみ心理学は決して難しいものではありません。
家にぬいぐるみを置いてあげれば、
自然と子どもがぬいぐるみと関わる。
例えばゆうと君の場合、そんな姿を見ながら、
「ゆうとは周りのことが考えられるんだね」と自然と褒めることができる。
まさに、園と家庭を結びつけることができるのです。
また、こちらの記事に書いてある様に子どもの許可なく、
ぬいぐるみを捨てたり洗ったりすることを防ぐ声かけもできます。
※園内で勝手にぬいぐるみを処分…してないですよね?
ここまでお伝えした様にぬいぐるみ心理学を実践し、
園内にぬいぐるみを置くことができたならば、
園児は自然とありのままの自分をさらけ出せます。
「これがしたい!」と言え、
「私はこう思う!」と主張でき、
「それってどういうこと?」と聞ける。
お互いの個性がぶつかり合うので、
ケンカになることもあるでしょう。
ただ、「ケンカするほど仲が良い」という様に、
お互いの本音をぶつけ合えるので、ストレスなく関係が深まります。
究極的には「動物園」の様な状態になることでしょう。
家庭で居場所をなくした園児が園内では素の自分をさらけ出せる
園児それぞれの個性に気づき、それを自然と伸ばせる
何より、ストレスなく園での生活を送れる
もう良いことずくめなんですよね。
ぬいぐるみを園内に置くだけで、これだけの効果が生まれます。
そして、ここまでお伝えしたことを実践する上では、
「先生もありのままの自分で園児に関わること」が大事です。
こちらの記事で書いた様に、
大人社会では表面的な人間関係に終始することが多くあります。
これだと確かにケンカもせず衝突も少ないのですが、
周りに合わせてしまうためにストレスがたまります。
「この先生の方が年齢が上だし、言えないな…」
「どうせ言っても否定されるんだろうな…」
「周りの目が気になるな…」
先生が本音を言わず、ただ周りに合わせて振る舞ってしまう。
そんな言動を、園児は見抜いています。
思い出して下さい。
例えば中学生の頃、学校の先生を見ていて、
「この先生、本心を話してくれないな」と感じたことがあるかもしれません。
相手が本音を伝えてくれないと自分も不安になり、
無意識の内に本音を言わなくなってしまいます。
※以前に書いた恋愛の記事でも、この傾向に対する解決策を書きましたね。
だからこそ、周りの目を気にせず、
まずは先生が園児に本音を伝えることで、
園児も思っていることを素直に伝えてくれます。
園児に本音で関わるための1つの方法としては、
先生もぬいぐるみを使ってみるということです。
ぬいぐるみを園児の前に取り出し、
「実は先生もぬいぐるみが好きなんだ」と言ってみる。
「実は先生はね、今体調が悪いんだ」とぬいぐるみを介して伝えてみる。
直接言うことができない先生であっても、
ぬいぐるみを介すると不思議と言えてしまうものです。
歴史的に見てもぬいぐるみは本来は大人用のものでしたし、
先生がぬいぐるみを使って話しかけることは全然普通なのです。
何より先生が率先してぬいぐるみを使うことで、
「ぬいぐるみで遊んでも良いんだ」と園児も思えますからね。
このように、園内にぬいぐるみを置くだけで、
園児が自分らしさを自然と発揮できる環境になるのです。
これ以上の内容については園ごとの特性もあるので、
個別にお話しできたらと思います。
まずは無料講座を通してぬいぐるみ心理学を知ってください。
ぬいぐるみを設置するだけなら、
そこまで多くの費用も必要ありません。
子ども達にとって居心地の良い空間に、
ぬいぐるみを置くだけで変化する。
今すぐにできる方法でもあるので、ぜひ試してください。
本日も最後まで読んで下さり、ありがとうございました!
このコラムの執筆者
伊庭 和高(いば かずたか)
千葉県千葉市出身。
2人兄弟の長男として生まれ、幼い頃から50体以上のぬいぐるみがある部屋で育つ。
早稲田大学教育学部卒業、同大学院教育学研究科修了。
在学中は教育学、コミュニケーション、心理学に専念する。
人間関係の悩みを根本から解決する有効な手法として、ぬいぐるみ心理学という独自の理論を開発。
これまで7年間で5000名以上のお客様にぬいぐるみ心理学を提供。性別・年齢・職業を問わず多くが効果を実感しており、日本全国はもちろん、世界からも相談が後を絶たない。
2014年10月から始めたブログは、今では1000以上の記事があり、月に13万以上のアクセスがある。
2017年11月には株式会社マイルートプラスを設立。
心理コミュニケーションアドバイザーとして、受講者とぬいぐるみ心理学を通して実践的な関わりを続け、それぞれの「望む未来」の実現の手助けをしている。
2020年、初の著書『ストレスフリー人間関係〜ぬいぐるみ心理学を活用してあなたの人間関係の悩みを活用する方法〜』を出版。増刷しロングセラー中である。
2023年10月に三笠書房・王様文庫より『声に出すだけでモヤモヤがすっきりする本〜たった5秒のメンタルケア〜』を発売。
『女性自身』(2023年9月19日号)にて、カラー8ページでぬいぐるみ心理学が特集されるなど、活動の幅が広がっている。