15May
[最終更新日]2022/07/11
こんにちは、伊庭和高です。
今日は「オウム返し」について
ぬいぐるみ心理学の視点から解説します。
言われた言葉をそのまま繰り返すこと。
これが「オウム返し」です。
赤ちゃんが「パパ」「ママ」等と
言葉をオウム返しするのは可愛いですが、
大人になってもオウム返しはよく見かけます。
オウム返しをしてしまう人。
あるいはオウム返しされる人。
あなたがどちらかはわかりませんが、
この記事ではオウム返しする人の
心理背景について取り上げます。
オウム返しをする人の心理は、
大きく2つに分けられますので、
それぞれの心理背景を解説します。
また今回の記事を読んでいる方の中には、
「オウム返しをしてしまう自分を変えたい」
と思っている方もいるでしょう。
そこでこの記事では
オウム返しを治す方法も解説していきます。
目次
オウム返しをする人の心理背景
オウム返しをする人の心理は、
大きく2つに分けられます。
どちらの背景でオウム返しを行っているのか。
まずは2つのパターンを紹介します。
1、戦略的にオウム返しをする
まず最初に考えられる理由が
戦略的にオウム返しをしている場合。
相手の発言をそのまま繰り返すことで、
「私の話を聞いているんだな」と
相手に思わせる効果があります。
共感してもらえていると相手は感じ、
良い関係性を築く上でも役立ちます。
これは一種の心理テクニックですね。
ただしオウム返しも使い過ぎは逆効果。
相手の発言を毎回繰り返すと、
「この人は私の話を聞いてるのか?」と
逆に不信感を与えてしまいます。
2、自信がなくてオウム返しをする
私はお客様にぬいぐるみ心理学を提供する中で、
すべての悩みの根本原因は
「自信のなさ」であるとお伝えしています。
今回取り上げるオウム返しについても、
自信のなさからやってしまう人もいます。
「どんな言葉を返して良いかわからない…」
「意見を言ったら怒られるかも…」
「上手く言葉が出て来ない…」
「それならば、オウム返しをしよう…」
という様な心理背景です。
・仕事に対する自信のなさ
・会話に対する自信のなさ
・人間関係に対する自信のなさ
・自分に対する自信のなさ
様々な背景がありますが、
自信のなさが表面化してしまい、
オウム返しをしているのです。
また私は、自分の自信のなさの度合いを診断する心理テストを開発しました。
12個の質問(二択)に答えるだけで、
自信のなさをどれだけ感じているかが判明します。
こちらも合わせてやってみてください。
戦略的なオウム返しも自信のなさの裏返し!?
オウム返しをする心理を紹介しましたが、
戦略的にオウム返しをする場合も、
自信のなさの裏返しなこともあります。
もし自分に自信があるならば、
オウム返しをしなくても良いはず。
自分の意見を伝えたり
相手の話を聞いたりと、
自分の気持ちに素直に関われるはずです。
戦略的にオウム返しをしなければ
上手くいかないと思い込んでいるならば、
それは自信のなさの裏返しとも言えますね。
なぜオウム返しをするのか?
オウム返しをする心理について、
ここまで解説して来ました。
戦略的にオウム返しをしているのか。
自信のなさが背景にあるのか。
大きく2つに分けられます。
「なぜオウム返しをしてしまうのか?」
ここからはもう少し踏み込んで解説します。
よく考えてみてください。
私達は誰もが大人になる過程で
オウム返しをして来たわけではありません。
私達全員がオウム返しをしていれば、
そもそも会話は成立しませんよね(笑)
それでもオウム返しをしてしまうのは、
オウム返しをすることが自分にとって
一時的なメリットがあるからです。
評価が上がったり、
相手との関係が深まったりと、
何かしら見返りが得られるのです。
戦略的にオウム返しするのも、
見返りを求めているからだと言えます。
また自信のなさからオウム返しをするのも、
実は自分にとって一時的なメリットがあります。
オウム返しをしておけば、
相手の話を聞いている様に思われます。
嫌われることもなければ、
自分の意見を言わなくても良いです。
自分の意見を言えばボロが出たり、
相手から指摘を受けるかもしれません。
自信がない部分を相手に見せなくて良い。
これは一時的なメリットです。
ただし注意が必要なのは、
メリットはあくまで一時的だということ。
その場をしのぐことはできても、
オウム返しをする瞬間は
今後も繰り返されるでしょう。
その度にドキドキしたり…
自分で自分のことを否定したり…
常に息苦しい状態が続きます。
一時的にはメリットがあっても、
長い目で見ればデメリットしかないのです。
私もそうでした
実は何を隠そう私自身が、
過去に自信のなさから
オウム返しをしていたのです。
「相手の発した言葉を繰り返す」
確かにその場は楽ですし
嫌われることもありませんでした。
ですが自分の気持ちは相手に伝わらず、
好かれることはありませんでした。
「きっと悪い人ではない」
「でも良い人かどうかもわからない」
相手からすれば、
非常に中途半端な状態なのです。
例えるならば「空気」
空気を嫌いだという人はいませんが、
「好き!」という人もいないでしょう。
人間に害を与えることはないですが、
それ以上の存在にもなり得ません。
マイナスになることはなくても、
プラスになることもないのです。
自分の自信のなさと向き合うことで、
オウム返しはやめることができます。
オウム返し以外の場面にも自信のなさが…
自信のなさが原因で
オウム返しをしてしまうのですが、
他の場面でも自信のなさは現れてしまいます。
・周りの目を気にしてしまったり…
・つい何でも相手に合わせてしまったり…
・無理して良く見られる自分を演じたり…
オウム返しをしなくても、
他の言動に現れているのです。
自信のなさと向き合うことができれば、
オウム返しはもちろん、
それ以外の言動も改善されます。
周りを気にして悩むことなく、
自分らしく振る舞える様になっていきます。
オウム返しをする自分を治す方法
オウム返しをしてしまう心理背景について
ここまでは解説して来ました。
ここからは具体的に、
どうすればオウム返しをしなくなるか。
オウム返しを治す方法を、
3ステップに分けて解説します。
ステップ1:自分の気持ちを口に出す
まず最初のステップは、
自分の気持ちを口に出すことです。
オウム返しをしてしまう人の多くは、
自分の気持ちを口に出せていません。
相手の言葉をそのまま繰り返しているだけで、
自分の気持ちに気づけていないのです。
どんな言葉でも構いません。
まずは自分の気持ちを口に出すことです。
ですがいきなり相手に伝えるのは、
ハードルが高く感じるかもしれません。
ポイントは「自分で」口に出すこと。
独り言でも大丈夫ですので、
自分の気持ちを口に出してください。
「口に出すだけで良いの!?」と
疑問を抱いたかもしれませんが、
実はここが一番重要なポイントです。
口に出すことをしなければ、
オウム返しは永遠に改善されないと
言い切っても良いほどです。
ちなみに自分の気持ちを声に出す上では、
ぬいぐるみを活用するのが効果的です。
詳細は無料メール講座でも解説していますが、
意識してぬいぐるみと関わることで、
自分の気持ちを声に出しやすくなります。
ステップ2:自信のなさと向き合う
自分で自分の気持ちを口に出した後は、
自信のなさと向き合うことです。
「なぜオウム返しをしてしまうのか?」
口に出して問いかけてみてください。
「仕方ないよね」で終わらせず、
自分の自信のなさに気づくこと。
これが大切です。
ステップ3:「どうしたいのか?」と問いかける
自信のなさと向き合った後は、
「どうしたいのか?」と問いかけること。
「どうしたいのか?」の主語は自分。
自分を主語にしながら問いかけてください。
オウム返しをしてしまう人の多くは、
自分ではなく相手を先に考えてしまうのです。
相手を先に考えたとしても、
相手がどう思っているのかは
相手にしかわかりません。
相手のことを考えれば考える程、
出口のない森を迷っている様なものです。
「自分がどうしたいのか?」に気づき、
自分の気持ちに素直に行動すること。
この積み重ねが大切です。
自分で自分を大切にする
オウム返しをしなくなれば、
自分の気持ちに素直に行動できる様になります。
「自分で自分を大切にする」と言いますが、
相手の反応を気にして合わせるのではなく、
自分の気持ちに気づいて行動することで、
結果的に自分を大切にできる様になります。
オウム返しを手放した先には、
自分で自分を大切にできる未来が待っています。
自信のなさと向き合う上で、
より具体的な方法や情報は
無料メール講座でお伝えしています。
合わせて学んでみてください。
本日も最後まで読んで下さり、
ありがとうございました!
このコラムの執筆者
伊庭 和高(いば かずたか)
千葉県千葉市出身。
2人兄弟の長男として生まれ、幼い頃から50体以上のぬいぐるみがある部屋で育つ。
早稲田大学教育学部卒業、同大学院教育学研究科修了。
在学中は教育学、コミュニケーション、心理学に専念する。
人間関係の悩みを根本から解決する有効な手法として、ぬいぐるみ心理学という独自の理論を開発。
これまで7年間で5000名以上のお客様にぬいぐるみ心理学を提供。性別・年齢・職業を問わず多くが効果を実感しており、日本全国はもちろん、世界からも相談が後を絶たない。
2014年10月から始めたブログは、今では1000以上の記事があり、月に13万以上のアクセスがある。
2017年11月には株式会社マイルートプラスを設立。
心理コミュニケーションアドバイザーとして、受講者とぬいぐるみ心理学を通して実践的な関わりを続け、それぞれの「望む未来」の実現の手助けをしている。
2020年、初の著書『ストレスフリー人間関係〜ぬいぐるみ心理学を活用してあなたの人間関係の悩みを活用する方法〜』を出版。増刷しロングセラー中である。
2023年10月に三笠書房・王様文庫より『声に出すだけでモヤモヤがすっきりする本〜たった5秒のメンタルケア〜』を発売。
『女性自身』(2023年9月19日号)にて、カラー8ページでぬいぐるみ心理学が特集されるなど、活動の幅が広がっている。