19Dec
[最終更新日]2023/05/25
こんにちは、伊庭和高です。
本日のテーマは「他人と比べる心理背景」
「他人と比べてしまう…」
「周りの目を気にしてしまう…」
「人からどう思われるかが気になる…」
1500名以上のお客様と関わって来ましたが、
他人と比べてしまうという悩みは、
これまでで一番多かったと言えます。
「私の様な悩みを持っている人が他にいるなんて思ってなかった!」
この様な声を聞くこともありますが、
他人と比べて悩んでしまうことは、
実は多くの人に見られるのです。
とはいえ、大事なのは他人と比べて悩むことではなく、
いかに他人と比べずに過ごせる様になるか。
「自分らしく」という言葉がありますが、
他人と比べ続けるのをやめた先に、
自分らしく過ごせる毎日が待っています。
この記事ではぬいぐるみ心理学の視点から、
他人と比べる心理背景や原因と解決策をお伝えします。
また過去のお客様のケースから、
他人と比べる悩みを克服できた事例を紹介します。
目次
他人と比べる心理背景
「なぜ他人と比べてしまうのか?」
原因は非常にシンプルです。
「他人と比べる原因は、自分の自信のなさである」
これが私がたどり着いた結論です。
自分に自信が持てていないから、
他人と比べて悩んでしまう。
人と比較して劣等感を感じたり、
自分はダメだと責めたり、
なかなか行動に移せなかったりするのです。
想像してみてください。
もし自分に自信が持てていれば、
他人と比べることなく過ごせるでしょう。
言いたいことを言い、
自分の気持ちに素直に行動できるはずです。
もし他人と比べてしまっても、
すぐに自分に意識を戻して決断できる様になります。
一方で自分に自信が持てていないからこそ、
自分よりも先に他人のことを考えたり、
他人と比較し落ち込んだりしてしまうのです。
大事な場面で自分の意見を言おうとしても、
他人からどう思われるかを気にして言えなかったりするのです。
他人と比べる心理背景には、
自分の自信のなさが横たわっていると言えます。
他人と比べ続けると不幸になる!
結局のところ、自分が望む選択は自分にしかできません。
他人が自分の人生を生きているわけではないですし、
自分の気持ちは自分にしかわからないはずです。
ですが他人と比べ続けると、
自分の気持ちを押さえ込む様になります。
本当はやりたいことも、
他人と比較して行動に移さないこともあります。
自分よりも先に周りの目を気にして、
周りに合わせて行動する様にもなってしまいます。
他人と比べれば比べるほど、
自分が望む人生からは離れてしまうので、
結果的に不幸な人生を歩んでしまうのです。
他人と比べて行動していると、
そんな自分を自分で認めることもできなくなります。
次第に自分でも自分のことがわからなくなり、
何となく流されて過ごしている様な感覚を抱きます。
ちなみに他人と比べ続けると不幸になることは、
最近の研究からも明らかになって来ています。
例えばアメリカのヒューストン大学では、
Facebookの利用時間と感情の関係性について研究調査を行いました。
Facebookで友達の投稿を見続けていると、
自分の人生よりも他人の人生の方が良い様に感じ、
憂うつな感情を抱きやすくなってしまうことが判明しました。
あくまでこの調査はFacebookについてですが、
Facebookに限らず他人と自分を比較する場面は多々あります。
他人と自分を比べている時に、
ネガティブな感情を抱きやすいとも言えるのです。
そしてヒューストン大学の研究者である
メイリースティアース氏は調査結果を踏まえ、
「他人との比較で得られるメリットは一時的なものであり、
他人と比べてばかりいると不健康になりうる」
という談話を発表しています。
他人と自分と比べることで、
一時的には自分にとってメリットが得られることもあります。
心理学では「社会的比較理論」というものがあり、
1950年代に心理学者のレオンフェスティンガーによって提唱されました。
この理論の中では自分と他人を比べることで
不安を軽減したり自身の正当性を確認しよう、
という欲求が人間にあると語られています。
「あの人より自分の方がマシだ…」
「あの人よりも自分の言動の方が正しい」
この様に他人と比較することで、
自分自身の正当性に気づこうとする部分もあります。
ですが長い目で見れば、
常に他人と比べ続けなければいけません。
自分の気持ちよりも他人との比較を優先し、
他人と自分を比べ続けることになってしまいます。
他人と比べ続けていると気分も落ち込みますし、
他人の反応を気にして気疲れを感じやすくもなります。
スティアース氏が指摘する様に、
他人と比べ続けていると心身が不健康になってしまうのです。
他人と比べないのは無理ではない!
「他人と比べないのなんて無理だ!」
ここまでの話を踏まえ、
この様に思われたかもしれません。
人は1人では生きていけず、
常に他人との関わりが発生するので、
人生において他人と比べないのは無理ではないか。
この結論は半分正解で、
半分間違っています。
確かに他人と一切比べないことは無理です。
発達心理学の分野においては、
私達人間は小学校低学年頃になると、
周囲との協調性を身につけ始めると言われています。
周囲との協調性を身につけるということは、
周囲との関わり方に意識が向き始めるということ。
周りと自分を比べ始めるのも、
小学校低学年頃からスタートしていると言えます。
事実、学校の授業で先生に質問された時、
小学校低学年では多くの子供が手を挙げますが、
学年が上がるにつれて手が挙がりにくくなります。
「あの子の方が頭が良いから…」
「間違えたらどうしよう…」
他の子供と自分を比べる様になったので、
手が挙がりにくくなったとも言えます。
ですがちょっと待って下さい。
私達は生まれた頃、
他人と比べることなく振る舞えていました。
「他の赤ちゃんの方が優秀だから…」
「私の方が泣き声がうるさいな…」
赤ちゃんはこんなこと、考えないですよね?
要するに、誰もが小学校低学年までは、
他人と比べず自分らしく振る舞えていたわけです。
幼少期の記憶こそないものの、
私達は誰もが他人と比べずに振る舞えていたのです。
既にできていた感覚を取り戻せば良いので、
他人と比べることなく生きることは可能なのです。
もちろん他人と比べてしまう瞬間はありますが、
すぐに気づいて自分に意識を戻すことで、
他人と比べる時間は圧倒的に短くなります。
過去の私のお客様を見ていても、
他人と比べ続けることなく振る舞える様になっています。
他人と比べずに生きることは、
決して無理なことではないんですよね。
他人と比べるのをやめる方法
「他人と比べるのをやめたい!」
「周りを気にせず行動できる様になりたい!」
私のお客様からこの様に伝えてもらうことは多いです。
他人と比べてしまう心理背景について、
ここまでは解説して来ました。
ここからは他人と比べるのをやめる方法を、
3ステップで解説します。
ステップ1:声に出す
まず最初のステップは「声に出すこと」
自分の気持ちを声に出しましょう。
・
・
・
「それだけ!?」と思われたかもしれませんが、
実は他人と比べて悩んでいる人の多くが、
自分の気持ちを声に出せていないのです。
さらに具体的に言えば、
他人と比べて悩んでいる人の多くが、
声に出さず頭の中で悩みを抱えています。
頭の中で考えるほど、
私達はネガティブに物事を考えてしまいます。
アメリカの心理学の研究では、
私達人間は1日に約6万語の物事を考えると言われています。
その内の約90%がネガティブな事柄だと言われています。
つまり頭の中で考えるほど、
ネガティブ思考をしてしまうということです。
「他人と自分を比べてネガティブになる」
負のスパイラルに陥ってしまうのです。
まずは自分の気持ちを声に出すこと。
頭の中にためこまず、
声に出して外に放出することが大切です。
ステップ2:自信のなさと向き合う
他人と比べる根本原因は自分の自信のなさです。
自信のなさと向き合うことをせずに、
悩みが解決することはありません。
「なぜ他人と比べてしまうのか?」
「他人と比べ始めたのはいつからか?」
「他人と比べないで生きれないのはなぜか?」
頭の中に浮かんだ問いを通して、
自信のなさに向き合っていくことです。
ステップ3:主語を自分にして問いかける
そして最後のステップは、
主語を自分にして問いかけること。
「どうしたいのか?」と問いかけていきましょう。
他人と比べている時ほど、
主語を自分ではなく他人にしています。
自分よりも先に他人のことを考えてしまい、
結果として悩みが深まってしまうのです。
主語を自分にして問いかけることは、
他人と比べることなく行動する上で重要です。
お客様の声を紹介します!
そしてここからは私のお客様で
他人と比べる悩みを解決できた事例を紹介します。
埼玉県在住の持木さん(女性・仮名)は、
仕事でもプライベートでも他人と比べ続けていました。
=====ここから=====
たとえば仕事においても、
同僚と自分を比べてしまうことばかりでした。
「あの人の方ができるから…」
「あの人の方がふさわしいから…」
「あの人に比べて劣っているから…」
他人と自分を比較すればするほど、
自分に自信も持てず自己肯定感も低くなるばかり。
同僚からほめられても、
「そんなことないです」と変に遠慮したり。
あるいは会議等の大事な場面でも、
自分の意見を言えずにモヤモヤしたり。
仕事が終わって自宅に戻ると、
1日の疲れがドッと押し寄せていました。
マッサージに行ったり、
休みの日に気分転換の旅行をしたり、
自分なりにできることはやりました。
ですがマッサージや旅行をしても、
他人と比べる悩みが解決するわけでもなく、
あくまで一時的にスッキリするだけ。
「悩みを解決したい」と思っていた所で、
伊庭さんのサイトを拝見しました。
「悩みの原因は自信のなさ」
メルマガで伊庭さんの言葉を読み、ハッとしました。
確かに私は自分に自信が持てず、
他人と比べることが癖になっていました。
周りからどう思われるかを気にして、
自分の気持ちを抑えることも多く、
自分が何をやりたいのかもわからなくなっていました。
「このまま人生が続くのは嫌だ」
「自分で自分の人生を歩みたい」
現状を変えるために行動しようと強く思いました。
=====ここまで=====
持木さんに起こった変化
私は持木さんの話を聞きながら、
先ほどお伝えした3ステップを実践する様に伝えました。
また持木さん個別の現状を踏まえ、
専用メニューを作成し実践してもらいました。
=====ここから=====
確かに伊庭さんのおっしゃる様に、
私は自分の気持ちを声に出さず、
頭の中で考えすぎていました。
「自分の気持ちを声に出す」
意外とできていなかった様に思います。
仕事中にも声に出す方法を教えてもらい、
まずは自分の気持ちを声に出す様に意識しました。
すると他人と比べることが減りましたし、
気持ちが落ち込んでもすぐに立ち直れる様になりました。
「声に出すだけなのに…」
その効果には、私も驚いています。
そして主語を自分にして問いかけること。
他人と自分を比較し続けていたので、
主語を自分にする感覚を忘れていました。
ですが着実に習慣になって来たことで、
自分の気持ちを大切に行動できる様になりました。
言いたい時に意見も言えたり、
自分のやりたいことに気づける様にもなりました。
また恋愛面でも変化があり、
以前までは相手の顔色を伺って付き合い、
常に気を使って疲れ果てていました。
ですが相手の気持ちは相手にしかわからないので、
自分が関わりたい様に関わることを意識したら、
そんな自分に惹かれる相手と付き合える様になりました。
他人と比べ続けることもなくなり、
生きやすさを日々感じています。
====ここまで=====
ありのままの自分とは?
「ありのままの自分」という言葉が、
大流行した時期がありました。
ありのままの自分で生きられることは、
自分らしく生きられている状態とも言えます。
「ありのままの自分とは具体的に何か?」
ありのままの自分とは何かを定義するならば、
「他人と比べることなく振る舞えること」とも言えます。
他人と比べて行動していれば、
自分の気持ちを抑えることになります。
それは決してありのままとは言えませんし、
自分らしい状態からも遠ざかってしまいます。
他人と比べる心理背景を理解し、
解決に向けて行動を続けることで、
結果的には自分らしく過ごせる様になります。
自分で自分の気持ちに気づき、
自分が幸せだと思える人生を歩める様になります。
自信のなさとは具体的に何なのか。
自信とはそもそも何なのか。
他人と比べてしまう原因である自信のなさについて、
詳細は無料メール講座でも解説していますので、
合わせて学んでみて下さい。
本日も最後まで読んで下さり、ありがとうございました!
このコラムの執筆者
伊庭 和高(いば かずたか)
千葉県千葉市出身。
2人兄弟の長男として生まれ、幼い頃から50体以上のぬいぐるみがある部屋で育つ。
早稲田大学教育学部卒業、同大学院教育学研究科修了。
在学中は教育学、コミュニケーション、心理学に専念する。
人間関係の悩みを根本から解決する有効な手法として、ぬいぐるみ心理学という独自の理論を開発。
これまで7年間で5000名以上のお客様にぬいぐるみ心理学を提供。性別・年齢・職業を問わず多くが効果を実感しており、日本全国はもちろん、世界からも相談が後を絶たない。
2014年10月から始めたブログは、今では1000以上の記事があり、月に13万以上のアクセスがある。
2017年11月には株式会社マイルートプラスを設立。
心理コミュニケーションアドバイザーとして、受講者とぬいぐるみ心理学を通して実践的な関わりを続け、それぞれの「望む未来」の実現の手助けをしている。
2020年、初の著書『ストレスフリー人間関係〜ぬいぐるみ心理学を活用してあなたの人間関係の悩みを活用する方法〜』を出版。増刷しロングセラー中である。
2023年10月に三笠書房・王様文庫より『声に出すだけでモヤモヤがすっきりする本〜たった5秒のメンタルケア〜』を発売。
『女性自身』(2023年9月19日号)にて、カラー8ページでぬいぐるみ心理学が特集されるなど、活動の幅が広がっている。